専門家コラム
RPAは企業の業務再設計をする新たなツール
「働き方改革」「人口減少」などを背景に、国内において、ここ2~3年で急激に「RPA(Robotic Process Automation)」という言葉が飛び交うようになり、いまや新聞やインターネットの記事でよく目にするようにもなりました。いろいろな展示会も催され、この記事をお読みいただいている方の中でも足を運ばれている方が多いのではないでしょうか。
弊社にとっても当然「働き方改革」「人口減少」は他人事ではございません。この課題には昔から向き合っており、「小さな改善」活動として10年以上、全社的に取り組んでいます。ここ最近では、RPAを活用した改善事例が登場し、リストの抽出や必要書類の印刷における事務作業の自動化など、大きな工数削減効果を生み出しています。今、注目されている「RPA」は、私たちにとって改善活動の新しい「手段」として捉え、日々経験を積んでいます。
今回はその経験の中からRPA導入について「システム開発者」ではなく、「現場担当者」の目線でご紹介いたします。
自社業務でRPA稼動の事例を作る
「今まで長い年月をかけて人間が構築してきた業務が、そんな急に開発したロボットに本当にできるのか」
「ロボットが暴走したらどうなるのか、止まったらどうするのか」
私が導入を行ってきた企業様の中でもこういったお声をお聞きする機会が多々ありました。おっしゃることはごもっともです。私もそう思います。ロボットが導入された後の姿というのは、今まで自社で前例が無いこともあり、想像しにくいために生まれる懸念だと考えています。
初めてRPAを導入される企業様にとっては、綿密な計算をして大きな効果を狙うことよりも、まずはどこか1つの業務工程にRPAを導入してみて、自社業務がどうなるのか、を見ていただくことが重要だと考えます。
具体的にどのプロセスをロボット化するかを見極める
企業様の中には前段のようなワンステップを踏むことによって、
「今まで悩んでいた導入方針を一気に決定できた」
「自社の中でどの業務だとRPAの効果が最大化できそうか、その目安がついた」
というケースもあります。
まずは導入が失敗しても影響範囲が少ないところから始めてみることをおすすめします。しかし、どの業務工程からRPAを導入すればよいか、悩まれる方も多いと思いますので参考までにこちらのグラフを示したいと思います。
このグラフは、業務量を数値化し、グラフに落としこんだものです。業務量が多い青い部分ですが、ここの業務に改善を試みれば費用対効果が大きいため、システム化が検討される領域といえます。そこで着目されるのが赤い部分の業務です。この部分は繁閑差があったり、専任を張るほどでもなく、その結果、人力による手作業での対応や場合によってはマルチスキルでの対応が行われ、突発的な残業、作業中断による生産性低下、対応漏れなどが誘発されやすい状況までに陥ってしまうケースもあります。
改善にあたろうとしても、システム化をするほど費用対効果が出ないこの部分、この“ロングテール”領域がRPAを導入にうってつけだと考えます。RPAになると現場主導で進めやすくなり、実際にクライアント業務におけるメール対応処理でRPAを導入したことで、95%の工数削減がされた事例もありました。
TMJでは、これまでにRPA導入の支援や多くのクライアントからのRPAに関する相談を受けてまいりました。これからRPAの導入を検討している企業様がいらっしゃいましたらお気軽にご相談ください。
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