「RPAなのだから完全自動化じゃないと意味がない」
「RPA化したのだから、もうその作業に人は関わらなくていいはずだ」
RPAへの過剰な期待からなのか、こういった会話が弊社内でもされることがあります。時間をかけてブラッシュアップされたロボットであればこういったことも可能ではあり、自動化を目指す姿のひとつとして正しいものだと思います。
ですが、初回からこの姿を目指すのはお勧めしません。なぜならば、今までは想定していないイレギュラーなことが発生しても、「人間」が作業していたので、その場で考えて対処することが可能でした。RPAの場合、単純にこれができません。良くも悪くも、「人間」が想定した範囲での動きしかできないのです。
いくつか経験した例を挙げます。
・検索の際、「高」だと反応するが「髙」だと反応しない(※読み方も意味も同じで形だけが違う文字に反応しない)
・AさんとBさんで違う作業手順で処理をしていたため、部分的にロボット化したらアウトプットが変わった
・同じ工程でWEB画面が遷移するが、1秒のときもあれば3秒のときもあった
・自工程では問題なかったが、後(前)工程の別組織で混乱が生じた
この「想定した範囲」を高い水準に持っていくことが「可視化」「見える化」「ルール化」等と呼ばれますが、専門スキルの領域に入ってきますので誰もがすぐにできるものでありません。
また、例え行ったとしてもやはり100%自動化は非常に難易度が高いものです。