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専門家コラム


初回投稿日 : 2018/12/25
最終更新日 : 2019/04/01

RPAを育てて業務自動化を成功させよう

初めて自社の環境でRPAを動かしてわかること

「思っていたシステムと違う」
「社内システムをいれたら、なぜか手作業の仕事が逆に増えた」
「改修しようにもコストがかかり、前にも後にも進めなくなった」

社内システムを導入した際に皆さんの中でも上記のような経験がある方がいらっしゃると思います。これはRPAにも言えることで、導入してみてわかることが多々あります。私が経験した中からRPAを導入してみて初めてわかったことを一部挙げてみます。

「ロボットの処理が早すぎて、基幹システムがダウンした」
「ロボットが止まった時、修正する人が誰もいなかった」
「自社のセキュリティポリシーに引っ掛かり、ロボットに作業させることができなかった」

社内ネットワークの問題、社内の役割の問題、社内手続きの問題・・・これからRPAの浸透を進めるにあたって、初期の段階でこれらが明確になっているのとなっていないのでは、先々に大きな差がでてきます。どんな簡単な工程でも結構です、まずは自社業務の中でRPAを動かしてみることをお勧めします。

イレギュラーな対応は必ず発生するものとして考える

「RPAなのだから完全自動化じゃないと意味がない」
「RPA化したのだから、もうその作業に人は関わらなくていいはずだ」

RPAへの過剰な期待からなのか、こういった会話が弊社内でもされることがあります。時間をかけてブラッシュアップされたロボットであればこういったことも可能ではあり、自動化を目指す姿のひとつとして正しいものだと思います。

ですが、初回からこの姿を目指すのはお勧めしません。なぜならば、今までは想定していないイレギュラーなことが発生しても、「人間」が作業していたので、その場で考えて対処することが可能でした。RPAの場合、単純にこれができません。良くも悪くも、「人間」が想定した範囲での動きしかできないのです。

いくつか経験した例を挙げます。

・検索の際、「高」だと反応するが「髙」だと反応しない(※読み方も意味も同じで形だけが違う文字に反応しない)
・AさんとBさんで違う作業手順で処理をしていたため、部分的にロボット化したらアウトプットが変わった
・同じ工程でWEB画面が遷移するが、1秒のときもあれば3秒のときもあった
・自工程では問題なかったが、後(前)工程の別組織で混乱が生じた

この「想定した範囲」を高い水準に持っていくことが「可視化」「見える化」「ルール化」等と呼ばれますが、専門スキルの領域に入ってきますので誰もがすぐにできるものでありません。
また、例え行ったとしてもやはり100%自動化は非常に難易度が高いものです。

運用初期はロボットに人の手を加える

ではすぐできる動きとしてどうするか、

①対象業務の中でレギュラー(一番多いケース)と呼ばれる作業をまずは自動化する
②実運用で稼動させる
③ロボットが止まったところでその対処策を考え、シナリオに修正を加える

単純なことですが、これら時間を掛けて反復して行うことで100%業務自動化に近づくことができます。

RPAを導入するときは、まずは「人の作業:ロボット作業 = 2:8」程度という感覚が目安です。ほとんどのケースがこれでも効果は勝手についてきます。はじめからすべての作業をRPAにやらせようとはせず、実運用しながら検証を繰り返し、機能補完していくことがポイントです。人同士が仕事をするときにお互いの”信頼“が必要な様に、人がロボットを”信頼”しながら一緒に作業することが大切だと思います。

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執筆者紹介

石井 巧磨
株式会社TMJ 事業変革部 サービスデザイン室
テーマ:業務効率化、RPA、人材育成
BPO事業会社、通信事業会社にてオペレータ、センター管理者、マネジャーを経験しながら、 オペレーションの視点から顧客満足度重視の様々な改革を実践。 現在はTMJにて、コンタクトセンタやバックオフィスの立上・改善支援に従事。クライアントの依頼を受けてから立ち上げ前までの運用設計やスケジュール管理、立ち上げ後の運用支援・改善提案を行っている。

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