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業務改善ノート Business Improvement Note

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「進化するRPA」―RPA×AI時代にも鍵となるビジネスプロセスを再設計するためのポイント

初回投稿日 : 2019/07/19

目次

  1. AIの掛け合わせにより、RPAは今後さらに進化する
  2. RPA×AIの時代となっても、業務設計の重要さは変わらない
  3. RPAにおけるBPRの考え方
  4. BPRを踏まえた業務自動化事例

AIの掛け合わせにより、RPAは今後さらに進化する

RPA(Robotic Process Automation)が世に出回ってから数年が経ちます。弊社にご相談いただくクライアントの中でも、RPA未導入企業と導入済み企業で、その割合はおよそ半々ほどになってきました。

RPAツールも日進月歩で、従来はデスクトップ型かサーバ型かといった選択だったものが、
サブスクリプションのクラウド版や開発不要な従量課金型など、さまざまな選択肢が生まれています。
さらに、OCR(光学式文字認識装置/光学文字認識)や画像解析・テキスト解析などの分野を中心に、RPAとAI(人工知能)を組み合わせた具体事例も増えつつあります。

もともとRPAは「何か」から「何か」へデータを受け渡しすることを得意としており、データを受け渡す先であるAIが成熟することで、RPA×AI(RPAI)は文字通り、掛け算で価値が生まれていくことでしょう。

RPA×AIの時代となっても、業務設計の重要さは変わらない

このように、AIを組み合わせることによってRPAが飛躍的に進化することは明白ですが、「身の回りの業務が勝手に自動化されていく!」というのは過剰な期待です。
「人が行う手順」と「ロボットが行う上で最適な手順」には異なる部分があり、作業をそのまま記録してRPAで再現させようとしても上手くいかなかったり、非効率な面が生じたりすることは非常に多くみられます。

「人が行う手順」の具体例を挙げると、

  1. 情報の転記ミスへの対策として、入力者とは別人によるダブルチェックを導入している
  2. 取り違えを防ぐために、処理は1件ずつ行う手順にしている
  3. 状況判断により、対応手順を細かく変えている
  4. 依頼元ごとに異なる入力フォーマットを用いている

などです。

現在の業務手順をそのまま自動化するのではなく、「ロボットが行う上で最適な手順」に変換することが重要です。ときには今の作業手順を一から整理し見直すことが、結果として業務のスリム化につながり、より大きな効果を生み出すこともあります。

RPAには、BPR(Business Process Re-engineering:ビジネスプロセス・リエンジニアリング)が極めて重要なのです。

RPAにおけるBPRの考え方

BPRや業務改善において王道的な考え方である「ECRS(イクルス)の原則」に当てはめて考えてみましょう。

  • Eliminate(排除)
    工程そのものをなくす、省略できないかと考えることです。
    前述したダブルチェックなどは「転記においてヒューマンエラーはゼロにできない」という前提があってのものです。しかし、ロボットに実行させることで、入力の完全性は担保されます。前提が異なるのならダブルチェックの工程は省略することができるでしょう。
  • Combine(結合)
    作業をまとめてやれないかを考えることです。
    人は取り違えて処理ミスをする可能性があり、抽出→加工→登録を1件ずつ行う…としているところを、ロボットに置き換える際には、一度にまとめて処理する手段・方法を考えたりします。
  • Rearrange(代替)
    処理の順番や内容、手段を変えたらうまくいかないか、を考えることです。
    人の判断を伴う工程が途中にあって自動化がうまくいかない場合、判断工程をロボットの実行前に持ってくる、判断基準を可視化してロボットで条件分岐できるようにする、などが挙げられます。
  • Simplify(簡素化)
    作業をもっと単純化できないかを考えることです。
    入力フォーマットが複数ある場合に、各フォーマットに対応できるようロボットを設計するよりも、フォーマット自体を統一できるとしたら、そのほうがシンプルです。また、不測の事態でRPAが実行できなくなり人がリカバリーする際にも、単純化されていれば対応が早いでしょう。

このように、業務の作業手順を整理することで、自動化によって得られる効果をより大きく、確実なものにすることができます。

BPRを踏まえた業務自動化事例

私たちがお手伝いした企業を例に説明します。
貨物船のスケジュール管理をされている企業の部門担当者様より、業務自動化のご相談をいただきました。

従来の手順は、
(ア) 船舶の位置を専用サイトの地図情報ページより参照
(イ) 自社の管理する対象かを判断
(ウ) 管理対象の船舶であれば、位置情報をもとにスケジュール表を更新
(エ) 管理対象すべてを特定するまで(ア)~(ウ)を繰り返す(100件前後)
といった、気が遠くなるような作業を担当者が付きっきりで実施されていました。

当初、ヒアリングした段階では、(ア)の手順をそのまま自動化させることが不可能で、自動化は困難との見立てをしていました。余談ですが、弊社以外のいくつかの企業に同様のご相談をされた際も、「自動化は困難だ」として、提案を辞退されたそうです。

弊社にて検証をおこなった結果、
(カ) 船舶の情報を一覧表示している全ページのテーブルデータをコピーし、Excelに出力(管理対象外も含めた全船舶分)
(キ) 管理船舶マスタと(カ)のデータをマッチングさせ、管理船舶の位置データを抽出
(ク) 管理対象船舶データをスケジュール表へまとめて更新

このように手順を根底から変更することを提案いたしました。

(カ)の工程は、管理対象外の船舶情報も大量に含んでおり、人にとっては一見すると無駄な作業です。しかしながら、「決まった処理を繰り返し行える状態にすること」はロボットにとっての最適な手順になります。これにより、最終的なアウトプットの中身は変えずに業務手順を変えることで自動化を実現し、大きな削減効果を得るに至りました。

船舶位置情報管理作業の自動化事例

自動化が困難と思われていた業務の中にも、手順を見直して再設計することでRPAを有効活用できるケースもあります。
TMJでは、豊富な業務運営実績をもとにした知見により、業務整理・業務再設計を踏まえた自動化実現のお手伝いをしています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

執筆者紹介

阿部 巧

営業統括本部 マーケティング推進本部 営業支援部
テーマ:業務可視化、BPR、RPA
コンタクトセンターの運営管理者を長年経験し、KPIマネジメントによる業務進捗管理・業務改善(BPR)のノウハウを体得。2017年より営業支援部に着任、新サービス・ソリューションの技術教育をする傍ら、業務改善ツールとしてRPAの知見を深める。2018年8月、RPA認定技術者(WinActor)エキスパート取得。また、個人としてもNTTデータが運営するRPA専門のQ&Aサイトにて回答者活動に取り組み、ユーザーランキング上位にランクイン。社内外へのRPA企画・発信・推進役を担当。
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