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専門家コラム


初回投稿日 : 2019/07/11

改善活動が社員のマインドを変化させる!組織を強化する仕組み

私たちTMJは長年、全社で取り組む改善活動を通して、一人ひとりに改善文化を育んでいます。

今回のコラムでは最近の私たちの活動を振り返り、改善活動を継続することにより組織にどんな変化が起きているのかをご紹介したいと思います。

チームで改善成果を競い、共有する「小さな改善」活動

私たちは、製造業で実績がある「QCサークル活動」をベースとした改善活動を「小さな改善」活動と呼んで継続的に行っています。

TMJは200を超えるクライアント企業のコールセンターやバックオフィス業務などを受託・運営しています。その中で、業務内容は各々異なりますがクライアント業務の運営を通して付加価値の向上、品質向上、生産性向上を目指し、チームで「小さな改善」活動を行い、活動事例を発表し競い合っています。2006年にスタートしたこの活動は、全国にいる従業員に文化としてしっかりと根付き、自主的な改善活動が続けられています。

その成果は外部からも高い評価を受けています。
2019年も「第12回 事務・販売・サービス〔含む医療・福祉〕部門 全日本選抜QCサークル大会」に出場し、2年連続金賞を受賞しました。

関連:現場の人材育成に効果をもたらす業務改善活動、QCサークル(業務改善ノート)
関連:「第12回 事務・販売・サービス〔含む医療・福祉〕部門 全日本選抜QCサークル大会」で金賞受賞(ニュース)

2016~2018年度の「小さな改善」の活動テーマの傾向

はじめに直近3年間の515件の活動テーマを振り返り、どのようなテーマで改善活動を行っているのかをご紹介したいと思います。

まず、センター運営において従来より重要な指標となる以下のテーマは、
毎年の改善活動の主要テーマとして挙がってきています。

  • 品質向上
  • 工数削減
  • コスト削減

一方で、最近の社会情勢を受けて「自分たちのセンターをこう変えたい」「この問題に対処したい」というテーマや、私たちの経営理念に基づいて「よりお客様に貢献したい」「誰もがいきいきと働けるようにしたい」などの思いからテーマを選定し、改善活動を行うチームも増えています。

社会情勢を反映したテーマ

顧客価値の追求(Creating Client Value)を反映したテーマ 働き方の多様性(with your style)を反映したテーマ
・高齢者応対の向上、ノウハウの活用
・働き方改革、ワークライフバランス
・ダイバーシティの推進
・顧客リテンション
・VOC活用
・NPS向上
・クライアント業務プロセスのBPR
・クライアント満足度向上
・災害時体制構築(BCP)
・センター横断による稼動最適化
・RPA等による自動化
・多能工化で働きやすく

関連:TMJの理念(ミッション・ビジョン・バリュー)

改善活動を通して生まれた成功事例

各チームの活動した内容は発表資料にまとめられ、エリア大会、全社大会での発表を通して、好事例が全社に共有されていきます。
活動を取りまとめる改善推進事務局では改善大会を運営するとともに資料・発表動画を記録し、好事例や作られた成果物・ツールなどを社内ポータルに掲載し共有・展開をしています。また、良い成果物・ツールは汎用化が検討され、他のセンターに展開される仕組みをまわしています。その結果、先行したチームの事例をベースにどんどん再現性の高い活動が広がっています。

その中の、4つのトピックをご紹介いたします。

社会情勢を反映したテーマ

■ 高齢者応対の向上、ノウハウの活用

高齢者応対では、インバウンド業務においてTMJで長年研究しているジェロントロジー(老齢学)の研究成果を活用しています。高齢者の聴こえ方に着目し、使用する用語や話法を訓練して変えるなど、お客様に寄り添う改善活動で顧客満足と生産性を高めることを目指しました。その後、これをアウトバウンドで展開できないかと考え、さらに高齢者の特性を研究して、オペレータ採用後の研修・訓練方法を工夫して採用力を強化するなど、どんどん広がりを見せています。

顧客価値の追求(Creating Client Value)を反映したテーマ

■ NPS向上

NPS(ネットプロモータースコア)向上では、お客様の推奨意向がどうすれば高まるかを突き詰めています。
コールセンターとしてはお客様の問い合わせに回答して解決したつもりでも、お客様の心象的には未解決である応対に着目したことが始まりでした。時間はかかりますが顧客応対の音声を書き起こし、要素分解し、心象未解決を生じている原因を追究、丁寧に解決しました。
そしてこの分析ロジック(図1)を活用して、オペレータの応対スキルやマインドを改善することで10ポイント以上NPS向上を果たしたチームもあります。

(図1)NPS向上のための分析

■ クライアント業務プロセスのBPR

クライアントからの、販売店でかかるコストの削減協力要請に応じ、業務プロセスの見直し、再設計(BPR)に取り組んだ事例もあります。クライアントにご協力いただきながら提供サービスのルール変更、販売店説得のスクリプト追加を行い、年間1600万円以上のコスト削減を達成することができました。
このようにクライアントと共創することで大きな成果を挙げた活動も増えてきています。

働き方の多様性(with your style)を反映したテーマ

■ RPA等による自動化

働き方改革で注目されるRPA、TMJでも全社で開発環境の整備やRPA開発人材の育成を進めています。RPAを導入した当初は「RPAで業務を自動化しました!・・・でもそれって安定稼働できているの?」といった打ち上げ花火的な事例でしたが、その後に続いたチームの活動はどんどん高度化していきました。
例えば、手作業によるSMS送信での誤送信防止のためにRPAの活用をクライアントに提案、採用されました。
リスクを事前評価しながら「RPAが止まらないためのシナリオ」「止まったときのバックアップ体制」などをしっかり考慮し、正確かつSMS送信工数をほぼゼロにすることに成功しています(図2)。

(図2)SMSの送信にRPAを導入した例

改善事例を水平展開する仕組みから起きた変化

TMJでは長年にわたり「小さな改善」活動の成果を社内の発表大会で表彰し、動画・資料を共有、事例を全てデータベース化しています。いつでも改善事例を検索・閲覧できるようにしたことで取り組むテーマが多様化、高度化する変化が起きています。ここ3年間は「自分たちのセンターをこう変えたい」、経営理念に基づいて「よりお客様に貢献したい」「誰もがいきいきと働けるようにしたい」などの思いがあふれる活動が顕著に増えています。

私たちは「挑戦」「共創」の精神で「小さな改善」活動をとおしてクライアント、お客様の満足を追求しています。是非お気軽にお問い合わせください。

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執筆者紹介

野上 真裕
株式会社TMJ 運営監理部
テーマ:品質改善、クオリティマネジメント、人材育成
生産性・品質向上施策の企画・推進、クライアント内の改善活動支援などに従事。2006年QCサークル活動をコールセンターに応用し「小さな改善」活動として企画・導入、全社的な活動に進化・発展させる役割を果たす。さらに、改善活動から生まれた問題解決ツールの汎用化、共有などの水平展開できる仕組みを整備するなど、高い品質と人材育成の基盤づくりを主導している。QCサークル京浜地区幹事、QCサークル本部認定指導員としても活動。

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