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専門家コラム


初回投稿日 : 2020/08/20

ニューノーマル時代のコンタクトセンターに向けたデジタル化とAI活用の道筋

コロナで変わる、次世代コンタクトセンターのあり方とは

コロナ禍により、急な見直しを迫られたセンター運営や顧客対応。ウィズコロナからアフターコロナへ、顧客接点と業務の再定義が今まさに必要とされています。弊社は2020年7月に「ニューノーマル時代のコンタクトセンターに向けたデジタル化とAI活用の道筋」をテーマにオンラインセミナーを実施しました。
今回のコラムでは、セミナーで講演させていただいた内容をもとに、ウィズコロナでの実例を交えつつ、コロナ時代のコンタクトセンターのあり方とは何かを定義し、デジタルを前提とした次世代コンタクトセンターについて解説したいと思います。

弊社コンタクトセンターにおける感染症対策

コロナ禍により、多くの企業様でセンター運営や顧客対応の急な見直しが迫られてきました。そしていまだ緊張感を強いられる状況は続いており、今度どのようにしてセンターを運営していけばよいのか悩みは尽きないと思います。ウィズコロナからアフターコロナへ、顧客接点とセンター業務の再定義が今まさに必要とされています。

この状況下においてTMJでも、ソーシャルディスタンスの確保や各種感染症対策を実施しています。具体的には、コンタクトセンター内、休憩室、ロッカーなどにおける入室前のアルコール消毒や在席表での管理、利用したヘッドセットの消毒やドアノブの定期清掃、一斉換気など、これらは対策の一部です。コロナウイルス感染症に対してオペレータの皆さんの不安は当然強く、隣や正面を区切るパーテーションを設置した際には、オペレータさんから感謝の声をいただきました。

コロナの影響により顧客対応・センター運営にどんな変化があったか

今年5月に当社のクライアントや接点のある企業を対象に、「ウィズコロナ・アフターコロナを⾒据えたセンター運営の実態・戦略」について緊急アンケートを実施しました。その結果によると、回答者の約半数にあたる企業で、オペレーションの変更を余儀なくされていたことが判りました。さらに詳細なコメントを見ていくと、総稼働時間の減少により、通常時と比較して応答率が低下する状況が発生していました。応答率が低下し、サービスレベルを落とさざるをえなかったセンターが多かったようです。
また、ヒアリングさせていただくと、4月から5月にかけて稼働率が低下し、4/16~5/6の緊急事態宣言の期間は50%程度の稼働率で運営されていたセンターも多くあったようです。
さらに、コンタクトセンター外の対策に目を向けると、テレワークの導入やマルチチャネルの促進が検討されました。具体的には、できるところからの着手として、メールやチャットの業務を切り出してテレワークで対応したり、ウェブサイトやチャットボットの強化を図ったりなどです。しかし、電話応対業務については、即時の対応がなかなか難しかったようです。

一方でエンドユーザーの変化としては、センターの稼働率が下がり電話がつながりづらい状況を反映して、ウェブを中心としたチャネルへの期待が高まりました。しかし、商材/顧客層によりますが、初めてECサイトやアプリを利用したお客様からは操作方法の問い合わせも同時に増えたようです。今後、カスタマーエクスペリエンスの観点から、さまざまな利用環境やリテラシーのお客様に対してどのように使いやすく、継続的に利用していただくかがポイントになりそうです。

コロナ禍におけるセンター運営の課題

まだまだ感染が収まらない状況下で、今後を見据えると2つの問題があると考えています。
1つは運営コストの問題です。距離を保つ必要があることから1席あたりのコストがどうしても上がってしまいます。また、自宅待機を指示される場合はオペレータの休業補償も必要になってきます。

もう1つは顧客満足の問題です。応答率の維持に関しては運営拠点の分散化とマルチチャネルの促進が非常に重要になっていくのではないでしょうか。これらを踏まえて、ニューノーマルにおけるコンタクトセンター業務の再設計はどうあるべきか、改めて考えることが必要だと思います。

運営拠点の分散化

在宅オペレーションの検討視点

運営拠点の分散化について、ケース別に整理しました。100%の充足率を通常の状態としたときに、出勤制限で充足率50%の場合、80%の場合には他拠点と在宅オペレーションを組み合わせてどのように運営していくか、パターン別に整理しておくことが必要になります。

また、在宅オペレーションについては、まず目的を明確に定めることがポイントです。目的が「BCP対策の一次対応」であれば、サービスレベルの見極めが必要ですし、「ニューノーマルとして常用運用」ならばオペレータの働き方を含めた広いスコープでの検討が必要になってきます。

マルチチャネルの促進

コロナ禍でECを利用されたお客様も多かったと思いますが、お客様に最良の体験を提供することが次のお客様を創るという基本に立ち返るべきときだと思っています。口コミや評判をどれだけ向上できるかは大事ですが、顧客接点そのものの体験だけではなく、注文後の配送が早かったとか、手続きが自分だけでスムーズできたとか、顧客ニーズにマッチしたチャネルによる良質な顧客体験を積み重ねることが、今後さらに企業のブランドを強化することにつながると考えています。

次世代のコンタクトセンターはどうあるべきか

これらを踏まえて、デジタル化を前提とした次世代のコンタクトセンターにシフトしていくことで、お客様を迷わせない最適なチャネルを提供し、運営コストと顧客満足のバランスを取ることが今後求められるのではないかと考えています。いままでは問い合わせチャネルにおいて、電話以外のチャネルは補完的役割を担っていました。しかし、これからは自社の商品/サービスの特性や顧客に合わせて戦略的にチャネルを構築していくことが重要なポイントになると思っています。

その際に具体的な検討ポイントは2つあると思っています。
1つは「ユーザー行動を知る」ことです。マルチチャネルが促進される中で、電話以外のチャネルを利用して、具体的な会話のない中でコンタクトを完結されるお客様も今後増えていくと思います。サイレントボイスだからこそアクセス解析やVOCを活用しながら仮説を立て、PDCAを回していくことは非常に重要だと思います。

もう1つは、「人でなければできないことを見極める」ことです。今後のテクノロジーの進化スピードにもよりますが、顧客と感情的につながって共感するということは、まだまだ人を介してでなければできない領域です。CRM上で応対履歴が顧客IDと連携しているならば、過去の問い合わせ履歴を踏まえた会話や、お客様の心情に寄り添った配慮・共感を添えることで、デジタルだけでは実現できない特別な顧客体験をコンタクトセンターが提供していけるのではないでしょうか。


TMJでは、ニューノーマルの時代におけるコンタクトセンターのデジタル化に向けて、企業様のサービス/商品に合わせてLINE社のソリューションをはじめ各種デジタル活用をご提案しています。ご興味いただける部分がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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執筆者紹介

玉造 哲也

株式会社TMJ マーケティング推進本部 カスタマーサクセス推進PJ
テーマ:CX、カスタマーサクセス、チャネル最適化
CXを実現する次世代型の顧客接点構築のコンサルタントとして、特に徹底した顧客視点でのチャネル運用設計・実装の実績多数。近年は、チャットボットなど、顧客の自己解決を実現するチャネル最適化のPMとして活躍している。

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