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BPOの基礎知識


初回投稿日 : 2020/09/07
最終更新日 : 2022/12/27

VOC(顧客の声)とは?意味や収集・分析・活用までポイントを解説

顧客の声に真摯に耳を傾け、商品やサービスの改善に活用していくことは企業の成長に不可欠です。ここでは顧客の声の分析・活用に深く関連した「VOC」について紹介します。VOCとは何か、メリットやVOCの収集・分析・活用のポイントについて解説します。

VOCとは

VOCとは「Voice of customer」の略称で、「顧客(お客様)の声」や「顧客の見方」を指します。コンタクトセンターに集まる商品やサービスについての意見はVOCの一例です。VOCは、アンケートに対する回答やメールなど企業に直接寄せられた意見だけでなく、SNS・個人のブログ・ECサイトでのレビューなどの情報からも収集できます。

また、自社サイトにどのような検索ワードで辿り着いたのかなどを分析した結果も、顧客ニーズを知るという点でVOCといえるでしょう。

VOC活動とは

VOC活動とは、単に顧客の声を聞く・集めるというだけでなく、それを分析・活用して商品やサービスの質を高める活動を指します。つまり、顧客の声を活用して、最終的には顧客体験価値向上を目指す活動のことを意味します。

まず、顧客の声を収集し、蓄積されたデータを分析します。その分析結果をもとに戦略を立て、具体的な施策を実行することで顧客体験を高めることにつなげていきます。

たとえば、商品・サービスへの使い勝手や要望に関する意見は商品開発や商品研究に活かすことができます。テレビCMを放映した際には、認知度に関する情報を収集することで今後のマーケティング戦略に活かすことができます。顧客応対に関する意見は、今後のカスタマーサポートに活かすことができます。

VOCには、膨大な情報を含まれるからこそ、いかにVOCを活用し、改善に活かせるかが重要となります。AIを用いたVOC分析サービスを利用することで、膨大な情報を効率的に分析・活用することが可能です。

VOC活動のポイント

活用のポイントここではVOC活動に取り組む際のポイントをVOCの収集・管理・分析・施策の4つの段階に分けて紹介します。

① 収集におけるポイント

VOC活動を成功させるために、価値あるVOCを聞き逃さないこと、分析するのに十分な情報量を集めることがポイントとなります。

1.チャネルの選択

ポイントとなるのが、VOCを集めるチャネル(収集経路)の選択です。

チャネルとしては、顧客からの問い合わせを直接受け付けるコンタクトセンターで収集できる情報やTwitterやFacebookなどSNSの外部の媒体から集める情報もあります。最適なチャネルを選択することで、価値あるVOCの聞き逃しを防ぐことができます。具体的なチャネルの種類に関しては、後ほど詳しく解説します。

2.ツールの整備

VOCで活用するツールの整備は十分な情報量を収集する上で重要です。VOC活動では、アンケートを配信したり、オペレーターと顧客の会話をテキスト化したりなど、VOCを収集するためのツールが不可欠です。

3.アンケート項目

VOCを収集する上では、どのような項目を設けるかが重要となります。質問項目として、「率直な意見をお寄せください」という漠然とした質問ではなく様々な観点で具体的な内容の質問を準備することで、顧客は回答しやすくなります。また、企業はより具体的に顧客の本音を知ることができ、分析も進めやすくなります。
また、VOCを知る上で最適なアンケート手法の一つに「NPS」があります。NPSは、「Net Promoter Score」の略称で、企業や商品・サービスについての消費者の愛着度を表す指標です。NPSでは、「あなたは、この商品・サービスを友人や知人、同僚に薦めたいと思いますか?」などの質問をして、0~10点満点で顧客に評価してもらいます。NPSは非常にシンプルな方法でありながら、多くの企業が活用しています。

② 管理におけるポイント

1.基幹システムの整備

VOCで管理する上で自社の基幹システムの整備が重要です。収集した膨大なデータを処理し、管理する根幹システムがあってこそ細かな分析につなげることができます。

2.管理体制

部署間でVOCが共有される管理体制も重要です。たとえば、営業が顧客から得たVOCがマーケティング部門に伝わらないという状態があると、せっかく集めたVOCをマーケティングに活かすことが難しくなります。基幹システムでVOCを一元管理し、所属部署に関わらずVOCを共有できる体制は、社内の共通認識を形成する上でも重要です。

③ 分析におけるポイント

分析を行う上で、VOC活動の目的を明確にすることがポイントとなります。

たとえば、サービスの認知度向上を目的としたキャンペーンを実施した場合、商品に対するレビューを収集することは、キャンペーンの効果を分析する上では最適といえません。

「どこでその商品を知ったのか」「どの広告を見て購入しようと思ったのか」など商品を認知するきっかけを分析することが重要です。自社での分析が難しい場合は、分析を外部へアウトソーシングするのも一つの手です。

また、少数意見が分析に反映されないというのもVOC活動で発生しやすい盲点です。たとえばコンタクトセンターに「パソコン機器が熱くなりやすい」などの報告があったにもかかわらず、他に同じような事例がないことから軽視してしまうと重大な問題につながってしまう可能性があります。VOC活動を行う上では、内容によっては少数意見にも目を向ける必要があります。

株式会社TMJでは、自動分類とテキストマイニングを活用して膨大な量のVOCを可視化・分析を行い、効果的な施策を立案するAI-VOC分析サービスを提供しております。豊富なノウハウを基にデータを分類・分析することで、ノイズの含まれたVOCであっても課題の明確化につなげることができます。

④ 施策におけるポイント

VOC活動においてはデータそのものから施策をみつけ出そうとするよりは、仮説を立ててからデータを検証するほうが成功しやすいといわれています。仮説を立ててからVOCを分析し、施策に反映することがポイントです。たとえば、「このような商品にニーズがありそうだから販売したらどうか」など具体的な施策プランを策定する上で、VOCを活用することが効果的です。

VOC活用を高度化させるための分析手法と3つのチェックポイント

VOC活動のメリット

メリットとは

具体的にVOC活動を行うことでどのような効果があるのでしょうか。

より良い商品・サービスの開発に役立つ

顧客からの改善提案や満足の声などに耳を傾けることでより良い商品やサービスの開発や改善にも役立てることができます。その結果として、売上アップも見込むことができます。特定のターゲットのVOCを収集・分析し、商品やサービスの開発に役立てることで、より顧客のニーズに合った商品・サービス開発を効率的に進めることができます。

顧客満足度の向上に役立つ

また、新規顧客の開拓とは別に、多くの企業は既存の顧客をより大事にしようとする動きを強めています。LTV(顧客生涯価値)(※)という顧客と信頼関係を築くことで顧客から生涯にかけて得られる利益を増やそうとする考え方はその一つです。このLTV向上のために大切なのが顧客満足度であり、そのためにはVOC活動が重要になります。
※LTV:「Life Time Value」の略称。

VOC収集のチャネル

ここではVOC収集のためのチャネルをご紹介します。

コンタクトセンター

コンタクトセンターでは、電話・チャット・メールなどのVOCチャネルを設けて、顧客からの問い合わせを受け付けています。

電話

電話は、顧客の声を最もダイレクトに聞けるチャネルの一つです。顧客の声のトーンや言葉のニュアンスから感情を読み取ることもできるため、より質の高いVOCを収集することができます。

チャット

チャットは電話と違って感情がみえにくい面がありますが、テキストでのやりとりが残るため、VOCとして収集しやすいメリットもあります。

メール

メールの中にアンケートフォームへのURLを記載することで、顧客がより手軽に意見を寄せられる工夫を行う企業も増えています。

インタビュー

実際に商品・サービスを購入した顧客にインタビューを行うのも一つです。時間を設けて直接顧客の声を聞くことができるため、情報濃度の高いVOCを収集することができます。

ソーシャルリスニング

ソーシャルリスニングとは、TwitterなどのSNSや口コミサイトからVOCを収集する方法です。収集できる情報量は多い一方で、顧客一人当たりから得られる情報量が少なく、関連性の低い情報や偽情報も含まれることがあるため、有用な情報に絞って分析する必要があります。VOCの大まかな傾向を知る上では活用できる場面もあるでしょう。

VOC活動のための技術活用

活用できる技術ここではVOC活動に活用できる技術をご紹介します。

AIを活用した音声認識技術

AIの技術の進歩により音声認識の精度は大幅に向上してきました。コンタクトセンターにおける会話のやりとりをテキスト化するツールも開発されています。AIを活用することで、入力作業を軽減できるメリットがあります。音声の抑揚でオペレーターや顧客の感情を類推する技術もあります。

会話テキスト解析技術

会話テキスト解析技術とは、会話内で頻出するワードを抽出し、顧客の傾向やパターンを分析する技術です。テキストマイニングなどともいわれ、AIで音声認識してテキスト化したデータやアンケートの回答、ソーシャルリスニングで集めたデータの解析などに活用されます。特にVOCデータが大量にある場合に効果を発揮します。

VOCを正しく活用し、商品やサービス改善のヒントに

VOCを通して顧客と向き合うことは商品やサービスの改善につながり、売上アップにも貢献します。VOCの活用は、様々な切り口での改善につなげられ、全社一丸となった取り組みが必要不可欠です。

株式会社TMJでは、AIを活用しVOCのデータを分類するAI-VOC分析サービスやVOC収集時に指標ともなるNPSの導入支援サービスなどVOC活動時に役立てられるサービスを幅広く展開しております。VOC活動の実施をご検討の際は、ぜひご相談ください!お問い合わせは、<こちら>。

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執筆者紹介

ビジネスのデザイン力で、事業の一翼を担うBPOパートナーのTMJ。将来にわたる経営環境に最適なビジネスプロセスを設計し、事業を代替することで、クライアント企業の継続的な事業成長を総合的にサポートしています。

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