カスタマーサクセスとは、「顧客の成功」を意味し、顧客の成功を導くために、企業側が能動的に提供する業務のことを指します。つまり、顧客の方から企業側にアクセスをするのを待って、受け身でサービスを提供するという企業姿勢とは違い、顧客の成功体験をサポートするために、どのようなアクションを起こしたらよいかを考え、企業側から積極的に顧客に関わっていくのがカスタマーサクセスの基本的な考え方です。顧客がサービスを利用して成功体験を得られることで、企業側も企業の価値を高めることができるのです。
この考え方は、2000年代初頭にアメリカのセールスフォース社が提唱し、特にSaaSやインターネット関連の業界では概念として定着しつつあります。カスタマーサクセスを実現するための専門部門を設けている企業も多数あります。日本でも、サブスクリクション型(※後ほど解説します)のサービスが普及するのと同時に、2010年代後半から認知が進むようになりました。まずは、カスタマーサクセスと同じような意味で捉えられることの多い「カスタマーサポート」「ヘルプデスク」との違いについて、解説していきます。