BPOの最前線コラム

開始から10年以上も続くTMJの『小さな改善』活動、その定着のコツとは?

2017.10.31

なぜQCサークル活動を始めることにしたのか?

当社は、BPO企業として、多種多様な業種・業界の業務運営に携わってきました。多くの業務を運営する中で、大小を問わず日々さまざまな問題が発生し、現場でひとつずつ対応してきましたが、全社員の80%以上がパート・アルバイトという雇用形態、オンサイト・オフサイトの業務が混在し社員の55%が自社以外のサイトで勤務という就労形態、数十種類にもおよぶシフトパターンが存在する勤務形態、そして数百社のクライアントの業務を受託する多様性など、アウトソーサーであるがゆえに、全センター共通の施策が打ちにくく、本社組織による横断的な改善も限界、現場での自主的な改善が必要でした。また、せっかく問題解決に成功しても、成果やノウハウが共有されることなく個別の成功体験にとどまっていました。
この目に見えない壁を壊し、社員自身が主体的に職場の問題解決に取り組み、さらに、そのプロセスやノウハウを全社で継続的に共有するための良い仕組みはないものだろうか?さまざまな仕組みを検討する中で見つけたのが、製造業を中心に成果を上げていたQCサークル活動でした。

QCサークル活動とは、製造業における製品の品質向上、作業効率の改善活動

皆さんは、QCサークル活動をどの程度ご存知でしょうか?製造業においては当たり前とも言えるほど浸透し、製品の品質向上、作業効率の改善などに大きな効果を発揮している小集団活動で、いわゆる「トヨタ式カイゼン」なども、このQCサークル活動をベースとし、自社に合わせ発展させたものです。
その生立ちですが、1950年(財)日本科学技術連盟が米国よりデミング博士を招聘し品質管理の考え方を日本に導入、製造業を中心に統計的品質管理が定着した1970年代に入ると日本の企業風土に合った品質管理の進め方が模索されQCサークル活動はこの頃確立されました。その後、米国が日本製品の品質の高さに学び日本の品質保証体制、QCサークル活動を参考にしながら米国企業の風土に合わせたトップダウン型のシックスシグマが開発されました。当社では、あくまでも現場の主体的な活動、現場力の強化を目指すためにボトムアップ型のQCサークル活動を2006年に導入しました(図1)。
改善活動の流れとしては、現場で働く社員がチームを組み、 Quality,Cost,Delivery-CSの視点でのテーマ選定からしっかりと定量的な現状把握と目標設定、なぜ、なぜと繰り返し真の要因を突き止める要因解析を行います。そして真の要因を解決するための重点思考に沿った対策の検討と実施、実施した施策に対する効果の確認、成果を確実なものとするために標準化と管理の定着を行います。最後に活動の振り返りを行い、次に解決すべき課題をまとめ1回のサイクルが終了します(図2)。活動が終わったら発表資料にまとめ発表会も行っています。

             図1                             図2

QCサークル活動をするその意義とは?

もちろん、現場で起こっている問題・課題を解決することがゴールではありますが、活動のなかでQC的ものの見方・考え方(図3)、QC七つ道具、IE手法など問題解決手順・手法を学ぶことにより問題解決能力が身についたり、チーム活動のためコミュニケーション活性化やリーダーシップが身についたり、発表することで資料作成スキル、プレゼンテーションスキルが身についたりと、QCサークル活動は、人材育成の“オールインワン・パッケージ”といわれ、「職場の活性化」と「人材の育成」の双方に効果がある活動なのです。

図3

TMJが実施している「小さな改善」活動の基本理念

当社ではこの活動に対し以下の4つの基本理念を定めています(図4)。
QCサークルでは、もともと①②④の3つの理念が掲げられています。
サービス業である当社は③の顧客への「提供価値の向上」を大切にしていますが、この理念が製造現場以外で継続的に改善活動を定着させるためのキーワードと考えています。

  ① 人間の能力を発揮し、無限の可能性を引き出す・・・「人づくり」
  ② 人間性を尊重し、生きがいのある明るい職場をつくる・・・「職場の活性化」
  ③ 従業員満足に裏付けられた良質なオペレーションから生み出される・・・顧客への「提供価値の向上」
  ④ その結果、企業の体質改善・発展に寄与する・・・「収益性の向上」

後工程を「顧客(お客様)」として捉え、クライアント、その先のエンドユーザーはもちろん自部門、自業務の仕事の結果を受け取る社員・部門も「顧客」と捉え、困っていること、不満に思っていることを積極的に改善していくことが活性化のポイントです。なぜなら問題を解決することで、そこに後工程の皆さんの「喜んだ顔」「感謝」があるからです。

改善活動には様々な形態がありますが、改善活動の目的を「収益優先」、「コスト削減」とすると、やらされ感が出てチームが疲弊、活動が停止します。あくまでも顧客(後工程)に喜ばれる「提供価値の向上」テーマを選び、活動を通して「人づくり」「職場の活性化」を促進させ、結果として「収益性の向上」により経営に貢献する活動として推進することが改善活動を定着させるコツと考えます。当社では、2006年のスタートからこれまでの参加者は6,708名、テーマ数は1,489テーマ(2017年3月現在)にのぼり、活動が定着しています。
改善に終わりはありません、是非皆さんも取り組んでみてくださいお問合せをいただければお話を聴いたうえでアドバイスをさせていただきます。気軽にお問い合わせください。


⇒ 「小さな改善」活動と改善報告制度

図4

野上 真裕

業務設計・開発支援部 改善推進室 室長

生産性・品質向上施策の企画・推進、クライアント内の改善活動支援などに従事。2006年QCサークル活動をコールセンターに応用し「小さな改善」活動として企画・導入、全社的な活動に進化・発展させる役割を果たす。さらに、改善活動から生まれた問題解決ツールの汎用化、共有などの水平展開できる仕組みを整備するなど、高い品質と人材育成の基盤づくりを主導している。QCサークル京浜地区幹事、QCサークル本部認定指導員としても活動。

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