専門家コラム
前編では、シェアードサービスで従事する従業員を対象に行ったFY20幸福度調査で「定型業務70%・非定型業務30%の従業員の幸福度が最も低い」という非常に興味深い結果が出ました。
▼前編はこちら▼
【FY20幸福度調査&考察】現場改善による幸福度向上(前編)
~定型業務の比率が幸福度に影響?~
第2回の中編では、なぜ「定型業務70%・非定形型業務30%の従業員」の幸福度が最も低いのかその背景について着目しました。
TMJは、コーポレート機能協会のリサーチコミッティ(研究委員会)のひとつである「ニューノーマル時代の働き方研究委員会」に参画し、コーポレート機能協会に参加している企業の従業員509名を対象に、シェアードサービスで働く従業員の幸福度に焦点を合わせた共同研究を実施しました。全3回にわたって、調査結果をまとめた『【FY20幸福度調査&考察】現場改善による幸福度向上』についてご紹介する第2回となります。
定型業務70%・非定型業務30%を行う従業員の構成人数に変化
FY17(2017年度)の調査実施時と比較してFY20(2020年度)では、定型業務70%・非定形業務30%の従業員の全体に占める構成人数が大きく伸びていることがわかりました。FY17では、33.2%と約3割だったのに対して、FY20には47.4%と約半数弱を占めるまでに伸びています。
定型業務70%・非定型業務30%の従業員が増えた2つの背景
定型業務70%・非定型業務30%の従業員が増えた背景として、大きく2つ考えられます。
一つ目の背景がBPR(業務改革)や業務の自動化に取り組む企業が増えたことで、業務の定型化(標準化・最適化)が進んでいることです。
限られた人手を最大限に活用するために、定型化できる業務は外部へ委託したり、システムを導入したりすることで、従業員の業務負荷を軽減し、業務の効率化を加速させる動きが強まっています。
そして二つ目の背景が業務効率化を加速させる取り組みのひとつとして、定型業務がメインだった従業員にも非定型業務である業務改善が追加のミッションとして課せられていることです。
より生産性の高い職場環境を作るために、定型業務に全うするだけでなく業務改善の視点も持つことが従業員に求められていることが想定されます。
業務改善に関連した設問への回答状況
業務改善を求められる従業員の状況が見えてきた中で、改めて業務改善に関する設問への回答に目を向けてみると、従業員本人の状況と企業に求められている状況にギャップがあることが見受けられました。
- 『私は業務改善に必要なスキル・知識を習得している』
- 『私は率先して業務改善を行っていきたい』
の2つの設問へ回答状況を比較した際、定型業務70%の従業員の平均値が最も低い結果となりました。
業務改善に必要なスキル・知識を習得できていないと感じていることで、率先して業務改善を行っていきたいとは思えない現状が見えてきたのです。
そこで「改善活動を支援したり、改善スキルを育成したりしたら幸福度は向上するかも?」という仮説をもとに、改善支援による幸福度向上施策への取り組みを行いました。
コーポレート機能協会に参加している3社を対象に
- BPR (業務改革)プロジェクト
- 申請の電子化
- 改善目標達成支援
の3つのテーマで取り組みを実施しました。
次回は、幸福度向上施策の取り組みの結果と生まれた気付きをテーマに解説します。詳細は、<こちら>。
>>>【FY20幸福度調査&考察】の調査資料のダウンロードは<こちら>。
出典:『【FY20幸福度調査&考察】現場改善による幸福度向上』(一般社団法人 コーポレート機能協会)
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