現場カイゼン
新型コロナウイルスの感染拡大で様々な情報が発信される中、信頼できる情報を整理した上で適切な行動につなげることが求められています。多くの従業員に支えられているコールセンターでも、安心できる環境作りに向けた奮闘が続いています。
本記事では、株式会社TMJのコールセンターの現場にスポットを当て、「コロナ禍におけるオペレーターのモチベーションアップ施策」をテーマに現場での取り組みについてご紹介します。今回は、全5回の連載の第5回となります!
第5回は、九州で複数案件を持つマルチセンターのセンター長を務める遠嶋CMにお話をお伺いしました。
複数案件を持つマルチセンターでの情報統一
Q:実施業務について教えてください。
私たちのセンターでは、マルチセンターとしてネット通販、小売、保険、公共サービスなどの異なる業種のコールセンターブースを設けており、電話によるお客様からのお問い合わせへの対応を約150名で行っています。
Q:新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、現場の状況はいかがでしたか。
最初の頃は、オペレーターの方から出社や勤務することへの不安の声はありました。新型コロナウイルスの感染状況をはじめ国や会社の方針も変わりやすい状況にあったので、不安を和らげるために全体に正しい情報を発信していくことが必要だと感じました。
Q:新型コロナウイルスの感染不安の声が聞かれる中で、どんなことに注力していたのでしょうか。
情報展開の早期実施と消毒・飛沫防止の徹底に注力していました。
情報展開に関して、オペレーターの方々にとって「情報の齟齬」があることが一番の不安になるのではと感じていたため、会社から情報や方針が共有された際には早めに展開することを意識していました。
タスクフォースの結成で情報連携を強化
Q:情報連携を円滑に進めるために「タスクフォース」を結成されたと伺ったのですが、いかがでしょうか。
情報や施策に統一感を持たせるために、他のセンターとも協力し、現場の管理者を中心に約10名からなるタスクフォースを結成しました。
LSV(リードスーパーバイザー)層を中心に総務担当者や稼働担当者など異なる役割を持つメンバーで構成し、新型コロナウイルス関連情報や施策の展開を行っていました。
Q:消毒・飛沫防止の徹底に関して、どんな取り組みをされていたのでしょうか。
消毒している姿をしっかり見せるようにし、消毒を実施した場所にはチェック表を作り、掲示していました。また、ロッカーやデスク周りなどの消毒済みの所は掲示物を作り、消毒作業を見える化することでオペレーターの方々が安心できるように心がけていました。
また、飛沫防止に関しても、センター内にパーテーションを設けることをはじめ、視覚的にも安心を感じられる環境作りに努めていました。
Q:現場が雰囲気を明るくするための工夫もされていると伺ったのですが、いかがでしょうか。
季節を感じられるイベントは、感染対策とセットで実施しました。ハロウインの時期は、お菓子を小袋に分けて配布することで、感染リスクを抑えながらもハロウインの雰囲気を感じられるように工夫しました。
多くの季節イベントの開催が中止となっている中、センター内ではイベントを中止するのではなく、コロナ禍でできる形で実施し、少しでも現場の雰囲気が明るくなればと、取り組んでいました。
また、可能な範囲でオペレーターの方々にも掲示物の作成や準備を手伝っていただいたり、アイディアを頂いてイベントの中に盛りこんだりとオペレーターの方々も一緒にセンター全体で現場を明るくしていくことに注力していました。
垣根を越えて一致団結するTMJらしさ
Q:取り組みを通して、現場の状況はいかがでしたか。
新型コロナウイルスの感染拡大による出社や勤務することへのオペレーターの方からの不安の声は今ではほとんどなくなりました。取り組みを通して安心感を持てるようになったという声もあり、少しホッとしました。
Q:取り組みを行う中で、印象的だったことはありましたか。
消毒作業やパーテーションの設置をオペレーターの方が自発的に手伝ってくれる姿も見られたことがとても印象的でした。オペレーターの方々も自分事として、現場の安心醸成を一緒に取り組めていることが嬉しかったです。
また、タスクフォースのメンバーが責任感を持って、現場を良くしようと色んなアイディアを出してくれて、センターや部署の垣根を越えて取り組めていることで、スムーズに進められているのではと感じています。
普段から業務を通してコミュニケーションをしっかり取ることを大切にしており、現場のアイディアや声も改善活動に積極的に取り入れており、そんな毎日の積み重ねが結果的に「何かあった時にもみんなで一緒に動ける」というTMJらしさにつながり、今回の取り組みでも活きていたのではと思います。
編集後記
こちらのセンター長になってまだ1年経っていないという遠嶋さんですが、センターが変わっても「何かあった時にもみんなで一緒に動けるところに共通してTMJらしさを感じる」という言葉が印象的でした。コロナ禍前からセンターで地道な取り組みがあったからこそ、人任せではなく自分事として取り組む文化が作られたのではと思いました。
また、オペレーターのモチベーションアップに向けた取り組みが現場にも伝わっており、センターがより団結力が強くなるポジティブな流れが生まれているのではと感じました!(業務改善ノート編集部:安田(恵))
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