実際にエフォートレスな体験を実現させるために改善活動を実施し、成功した事例を紹介します。改善を行ったのは、あるメーカー系企業が公開する月間閲覧回数100万件越えのFAQサイトのヒット率です。当初、8万回あった月間キーワード検索回数のうち35%が、検索結果が見つからない「0件ヒット」の状態でした。
※0件ヒット:キーワード検索をしたときに答えが準備されていなかったり、変換ミスや誤字脱字をしたりすることが原因で、検索結果が0件になってしまうこと
まず行ったのは、検索キーワード分析を行って対策を立てる「0件ヒット」を無くす取り組みでした。この取り組みを終えた時点で0件ヒット率は25%まで改善。しかし、それでも2万人の顧客が答えにたどり着けていないことになります。さらなる改善のために行ったのが「検索させない」導線設計です。
具体的に行ったのは、顧客をセグメント分けして、ステータスに合わせた「問題が発生しそうなポイント」を集約してFAQへの導線にすることです。サービスを利用し始めたばかりの初心者向けには知識不足でもキーワード検索をしなくて済むよう、問診のようなFAQを設置。日常からサービスを使い込んでいて情報リテラシーの高いベテランユーザーには、初心者向けの情報を見ることなく、最短距離で答えにたどり着けるような導線を設置しました。
その結果、FAQのキーワード検索回数が月間8万件から3万件に減少し、0件ヒットになってしまう顧客の数は7,500人まで減少しました。
FAQを「検索させない」導線設計でアクセス性を大幅改善した事例
また、映像サポートサービス「みえサポ」では、お客様の状況をスマホの映像で確認しながらサポートを行うことでお客様が口頭で説明する手間を省き、問い合わせの解決につなげています。