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初回投稿日 : 2021/07/20

MaaS(マース)とは?押さえておきたい基礎知識

MaaS(マース)とは?押さえておきたい基礎知識

次世代の交通サービスとして注目を集めている「MaaS」。日本でも国を挙げてMaaSを推進しています。TMJでも横須賀・三浦エリアにおける「観光型MaaS」の実証実験に参画し、普及に向けて取り組んでいます。
今回はMaaSとは何か、読み方やCASEとの違い、メリットや課題などMaaSを理解する上で押さえておきたい基礎知識を解説します。

MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)とは

MaaSとは「Mobility as a Service(モビリティ・アズ・ア・サービス)」の略称で、鉄道・バス・タクシー・旅客船・旅客機・カーシェア・シェアサイクルなど複数の交通機関のサービスをひとつのサービスとして結び付け、人々の移動を大きく変える概念を指します。

MaaSの定義

MaaSは直訳すると、「サービスとしてのモビリティ(移動)」を意味します。

2015年にITS世界会議(※)で結成されたMaaSアライアンスは、MaaSを
様々な形の交通サービスを需要に応じて利用できる1つの移動サービスに統合すること」と定義しています。(原文引用元:“What is MaaS?”. MaaS Alliance)

人々の移動を大きく変えるMaaS

MaaS

目的地に行くためにバスや電車を乗り継ぐ場合、これまではそれぞれの交通機関で予約や支払いを済ませる必要がありました。これに対して、MaaSが浸透すれば、1つのアプリで目的地までの複数の交通機関のルート検索・予約・決済が一元化され、シームレスに行うことができます。MaaSは次世代の交通サービスとして期待されているシステムなのです。

※:ITS世界会議:欧州・アジア太平洋地域・米州の世界3地域を代表するITS団体がITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)をテーマに毎年開催する世界会議。

日本では国土交通省が日本版MaaS
都市と地方、高齢者・障がい者等を含む全ての地域、全ての人が新たなモビリティサービスを利用できる仕組み」と定義付けています。(引用元:”日本版MaaSの実現に向けて”, 国道交通省)

MaaSの読み方

MaaSは、「エムエーエーエス」や「マーズ」とも読めますが、「マース」と読むことが一般的です。

SaaS・PaaS・IaaSとの共通点と違い

MaaSと似た言葉としてSaaS・PaaS・IaaSなどがあります。

全ての共通点として「as a Service」の頭文字を取った「aaS」が付いており、「サービスとしての〇〇」を意味します。

  • SaaS(サース):「Software as a Service」の略称で、クラウドで提供されるソフトウェアサービスを指す。
  • PaaS(パース):「Platform as a Service」の略称で、クラウドで提供されるプラットフォームサービスを指す。
  • IaaS(イアース):「Infrastructure as a Service」の略称で、クラウドで提供される情報システムを支えるインフラサービスを指す。

MaaSを含め全てのサービスにおいて、インターネットのクラウド環境があることで成立するサービスであるという特徴があります。

世界で初めて導入したフィンランド

MaaSは2006年にヘルシンキ(フィンランド)のスタートアップ企業MaaS Global社の創業者サンポ・ヒエタネン氏によって発案されました。そして、2016年に同社から実証実験後に世界初のMaaSアプリ「Whim(ウィム)」のサービスが開始しました。

日本でも2020年12月に「Whim」の実証実験の実施が発表され、本格導入に向けて準備が進められています。

日本で推進される「スマートモビリティチャレンジ」

スマートモビリティチャレンジ

日本版MaaSの実現に向けて、国土交通省と経済産業省は2019年に新プロジェクト「スマートモビリティチャレンジ」の開始を発表し、新たなモビリティサービスの社会実装に向けて地域と企業の協働を促す取り組みを始めています。

スマートモビリティチャレンジの詳細は、<こちら>。

本プロジェクトではスマートモビリティチャレンジ推進協議会が設立されて、108の自治体と171の事業者を含む307団体が参加しています(2021年6月7日時点)。

TMJも拡大するモビリティ事業の業務サポートの強化を目的にスマートモビリティチャレンジ推進協議会に参加しています。

TMJのスマートモビリティチャレンジ推進協議会に関するニュースリリースは、<こちら>。

CASEとの違い

MaaSと共に使われることが多い関連キーワードが「CASE」です。

CASEとは、

  • Connected(コネクテッド(通信機能))
  • Autonomous(自動運転)
  • Shared & Services(カーシェアリングとサービス)
  • Electric(電動化)

の頭文字をつなげたもので、2016年にメルセデス・ベンツが中長期戦略として発表しました。CASEでは、従来の移動手段としてのクルマの役割から発展し、新しいモビリティの形を実現するクルマの役割を4つの構成要素で示しています。

MaaSとCASEの違いとして、CASEは自動車が軸となるのに対して、MaaSでは自動車だけでなく鉄道・バス・タクシーなどあらゆる移動手段を含めて、次世代のモビリティをとらえています。一方で、MaaSが実現するために、自動車がCASEの実現に向かって進化することは非常に重要で関連性の高い存在といえます。

MaaSのメリット

MaaSは、移動を便利にするだけのサービスだけではありません。ここでは、MaaSのメリットについて解説します。

MaaSのメリット

検索・予約・決済の一元化による利便性の向上

一つ目のメリットは、1つのアプリで検索・予約・決済の一元化が可能になる点です。

出発地から目的地に向かうまでに必要な交通機関だけでなく、カーシェア、シェアサイクルなどを組み合わせて利用することもできます。さらに、移動先での目的に合わせ、医療・福祉機関や観光施設などの検索・予約・決済も1つのアプリで行うことが可能です。そして、利用者の利便性が大きく向上することが期待されているのです。

新しい生活様式に合ったサービス

二つ目のメリットとして、新しい生活様式に合ったサービスであることが挙げられます。

新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、オフピーク通勤を導入し「三密(密集・密接・密閉)」を避けたり、移動そのものを制限したりと新しい生活様式への対応が求められています。

人々の移動スタイルが大きく変化する中で、MaaSの取り組みの一部である利用者の予約状況に応じてバスやタクシーを運行する「AIオンデマンド交通」や交通機関の混雑状況を提供する「混雑情報提供システム」などにより既存の交通手段を有効活用しながら、新しい生活様式に合った移動が可能となります。

地方での移動をサポート

三つ目のメリットとして、地方での移動をサポートすることができます。

地方では利用者の減少により交通機関の運行が少ない地域があります。国土交通省のデータによると、2000年と比べて2016年時点で地方におけるバスの輸送人員は24%減少しています。

こうした地域では自動車がメインの移動手段となり、地方に住む方々の外出機会の減少や高齢化過疎化が問題となっています。

そこでMaaSを活用し、超小型モビリティ(1人~2人乗り程度の車両)や自動運転車導入したり、データを有効活用することで最適なバスや電車の運行を実現したりすることで地方の交通手段の確保に向けた取り組みを強化することができます。

観光地への集客に貢献

四つ目のメリットとして、観光地への集客に貢献することが期待されています。

観光型MaaSとして観光地に特化したアプリを通して、観光地への移動だけでなく、旅先の観光施設、宿泊施設・飲食店などの検索・予約・決済にも1つのアプリで完結できれば、利用者はより快適な旅行を楽しむことができます。

また、位置情報などに応じたおすすめスポットなどの情報を提供できれば観光地は魅力をアピールでき、利用者はより満足度の高い旅行体験を得ることができます。そして観光地への集客にも貢献することが期待されているのです。

都市や地域における生活の質を向上

五つ目のメリットとして、都市や地域における生活の質を向上に貢献することが挙げられます。

MaaSは次世代の交通サービスとして、交通渋滞や環境汚染などの都市や地域が抱える社会問題を解決する手段としても注目を集めています。たとえば、低炭素型の電動車グリーンスローモビリティや効率的な運行が可能な「AIオンデマンド交通」が導入されれば、社会問題の解決にも貢献します。

都市や地域において交通インフラは欠かせないものであり、人々の生活の質の向上へも寄与します。

IoT(モノのインターネット)をはじめとする先進技術を活用し、都市や地域の課題を解決する取り組みが行われている都市はスマートシティとも呼ばれており、MaaSはスマートシティの実現に寄与することが期待されています。

日本のMaaSレベル

スウェーデンのチャルマース工科大学の研究者が発表したMaaSレベルでは、MaaSのレベルを5段階に分けて定義付けを行っています。

MaaSレベル

  • レベル0

レベル0は、各交通サービスが独自に存在し、統合されていない状態です。

  • レベル1

レベル1は「情報の統合」がされ、各交通サービスの運賃・所要時間・行き方など目的地までの移動に関する情報が統合されている状態です。乗り換え案内や経路検索サービスなどが一例となります。

  • レベル2

レベル2は、「予約・決済の統合」がされ、複数の交通サービスを利用しながら一つのアプリで予約から決済まで完結できる状態です。

  • レベル3

レベル3は、「サービス提供の統合」がされ、交通事業者間の連携が進み、目的地までどの交通サービスを利用しても料金が統一されるなど移動がひとつのサービスとして統合されている状態です。

レベル4

レベル4は、「政策の統合」がされ、国・自治体・交通事業者が政策のひとつとして交通のあり方を協議し、推進していく最終形態の状態です。

日本では乗り換え案内や経路検索サービスなどの普及が進んでいる一方で、予約や決済はそれぞれの交通機関で手続きが必要なため、日本のMaaSレベルはレベル1の状態です。

MaaSの課題

MaaSレベル1の日本には、MaaSの活用に向けて多くの課題があります。

MaaS活用に向けた課題として、

  • 道路運送法などの法律による制限
  • 交通事業者間の連携体制
  • データ連携を行うための環境整備
  • 地方における交通機関の衰退

などが一例となります。

一方で、日本国内でもMaaS活用に向けて実証実験が進んでおり、普及に向けて着実に動き始めています。

MaaS/モビリティ支援サービスを提供するTMJ

TMJでは、MaaS/モビリティビジネスの対応に特化した専門センター「Mobilish(モビリッシュ、21年5月商標出願)」を2021年に開設しました。

多くのモビリティサービスにおけるカスタマーサポート業務の立ち上げから運用・改善までたずさわったことで培った経験やノウハウを活かしたMaaS/モビリティ支援サービスを提供しています。

TMJのサービスはこちら:MaaS/モビリティ支援サービス

また、横須賀・三浦エリアにおける「観光型MaaS」の実証実験に参画し、アプリの不具合や操作方法でお困りの際のサポート業務を担っています。

これからも、MaaS/モビリティビジネスの成功と普及に向けて貢献していきます。

TMJへのお問い合わせは、<こちら>。

執筆者紹介

業務改善ノート編集部

ビジネスのデザイン力で、事業の一翼を担うBPOパートナーのTMJ。将来にわたる経営環境に最適なビジネスプロセスを設計し、事業を代替することで、クライアント企業の継続的な事業成長を総合的にサポートしています。

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