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BPOの基礎知識


初回投稿日 : 2022/06/29
最終更新日 : 2023/03/29

継続的顧客管理はBPO企業に!課題や金融庁ガイドライン記載の目的とは

犯罪組織によるマネー・ローンダリングやテロ資金供与などの増加が国際的な問題となっています。2022年3月にFATF(金融活動作業部会)は、日本の一部金融機関における対策が不十分であるという対日審査結果を発表しました。金融庁ではガイドラインを策定・公表し、金融機関に2024年3月までに継続的顧客管理などの対策強化を要請しています。ここでは、マネー・ローンダリング対策の課題や金融庁によるガイドラインの目的、BPOを活用するメリットについて解説します。

継続的顧客管理とは

まず、継続的顧客管理について、詳しく解説します。

目的

継続的顧客管理とは、顧客情報や口座の利用目的の確認などの定期的なメンテナンスによって、銀行口座などの不正利用を防ぐ取り組みです。ダイレクトメールの送付や電話でのヒアリングにより顧客情報を最新の状態にすることで、疑わしいと思われる取引内容の発見に役立ちます。

国際的に問題となっている犯罪組織による悪質なマネー・ローンダリングやテロ資金供与の防止を目的として行われており、AML(アンチ・マネー・ローンダリング対策)のひとつです。マネー・ローンダリングとは、犯罪や麻薬取引のような不正取引によって得られた資金の出所を不明とする目的で、資金を多数の口座に何度も移動させることをいい、資金洗浄とも呼ばれています。

実施内容

国際的に、金融機関では金融システムを健全に維持して顧客に安全・安心に利用してもらうために、マネー・ローンダリングやテロ資金供与への対策として継続的顧客管理の取り組みを強化することが求められています。金融庁でも2021年2月に「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」を策定・公表し、金融機関に対して2024年3月までに対策を完了させるよう義務づけたことが背景にあります。

その実施内容の詳細とは、顧客情報や口座の利用目的を正確に把握すること、それらの情報について変更の有無を定期的に確認し、常に最新の情報を維持するためのメンテナンスを行うことです。

銀行であれば、個人顧客の場合は氏名・住所・生年月日・職業、そして取引の目的などのヒアリング・情報更新であり、法人顧客の場合は事業所の住所事業内容株主情報などのヒアリング・情報更新になります。クレジットカード会社であれば職業・勤務先・資産・収入の状況取引に使う資金の原資や使途、利用先の加盟店と購入商品・サービスなどのヒアリング、国籍・在留資格・在留期間(満了日)の記載された本人確認資料を持つ顧客へのヒアリングなどです。

証券会社であれば、特定の国に居住・所在している顧客特定の国と取引のある顧客、そして取引期間が空いている顧客に対するヒアリングを行います。これらのメンテナンスは、DM・SMSの送付や電話によるヒアリングによって定期的に行う必要があります。

金融庁は、期限を過ぎてもこれらの継続的顧客管理への取り組みが不十分だとみなされる企業に対しては業務改善命令や業務停止命令などの行政処分を出すことで、各企業による対策強化を促進することを狙いとしています。

継続的顧客管理における主な課題

継続的顧客管理に取り組むにあたって発生する主な課題について解説します。

業務負荷

金融庁で策定・公表された「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」により継続的顧客管理への取り組みを義務づけられたことで、金融機関では迅速な対応を迫られています。しかし、金融機関の多くでは膨大な顧客を抱えており、すべての顧客に対して定期的な顧客情報の確認を行うとなれば、業務負荷がかかることになります。顧客情報が確認できれば終わりではなく、その後はデータ整理を行う必要があります。

コスト負荷

膨大な顧客情報の確認により業務負荷がかかるのはもちろんですが、それにともないコストがかかることも無視できません。DMのデザイン制作や書面作成、印刷代、郵送料や電話料金、コールセンターのマニュアル作成、業務フローの構築、確認やデータ整理作業に携わる従業員の人件費など、継続的なコストがかかってきます。

ノウハウ不足

膨大な顧客情報を定期的に迅速に確認するためには、導入から効率的な業務フローを構築し実際に運用するまでのノウハウが不可欠です。しかし、これまでそのような業務経験のない金融機関では、基本的に継続的顧客管理における効率的な実施ノウハウの蓄積がありません。

TMJは継続的顧客管理に関するノウハウ不足や、実施にあたってのリソース不足を解決する継続的顧客管理サポートサービスを提供しています。これまでの実績を活かし、スピーディーな業務立ち上げや膨大な工数が必要な運用も対応いたします。

なぜ継続的顧客管理はBPO?

BPO(Business Process Outsourcing:ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは、部門の全てもしくは一部の業務をアウトソーシングし、業務効率化を図る手法のひとつです。ここでは、なぜ継続的顧客管理にBPO企業へのアウトソーシングが勧められるかについて、さまざまな金融機関を支援してきたTMJの経験をもとに解説します。

担当者の採用・教育が不要

継続的顧客管理のサポートサービスを提供するBPO企業には、効率的に顧客情報を確認し、確認したデータの整理を行うためのノウハウが豊富にあります。

専門のノウハウと様々な顧客接点チャネルを持ったBPO企業では、顧客情報を確認するための手法としてDMの郵送だけでなく、WebアンケートやSMS、オートコールなどのさまざまな方法を駆使します。さらに、どの顧客にどの方法を使って顧客情報のメンテナンスを行うと良いかを分析してリストアップするので、顧客情報の確認が効率的かつ高い精度で実施できるのです。

このように、継続的顧客管理に関する業務をアウトソーシングすることで、社内の担当者を新たに採用したり、教育したりする手間やコストが不要になります。新たに社員を採用してしまえば教育費だけでなく、毎月固定の人件費がかかるでしょう。それに対してBPOを利用する場合、業務委託のコストはかかりますが、その都度利用したサービスに対して費用を支払うため、コストもまたその都度変動します。つまり、人件費が固定費ではなく変動費となるのです。これによって人件費を削減できる効果も期待できます。

一気通貫で対応

BPOを活用すれば、継続的顧客管理に関する業務を最初から最後まで一貫性を持って、対応してもらうことができます。継続的顧客管理のサポートサービスを提供しているBPO企業では、継続的顧客管理に特化したコンタクトセンター運営をしていたり、迅速で効率的かつ精度の高い業務を行ったりできるフローの構築を得意としています。そのため、新たに継続的顧客管理に関する専門的知識を持った人材を採用することなく、一切の業務をアウトソーシングすることが可能です。

また、現状の従業員も新たな業務が増えるなどの負荷がかかることなく、コア業務に集中することができるというメリットもあるでしょう。むしろ、継続的顧客管理に関わる業務については知見のある業者に委託した方が、顧客に対する正確で適切・丁寧・迅速な応対が期待でき、顧客の信頼度を上げられる可能性もあります。継続的顧客管理をアウトソーシングすることで企業の顧客満足度がアップするという結果が出れば、企業にとっては二重三重の大きなメリットとなるはずです。

TMJは継続的顧客管理を含むeKYC業務に特化した高セキュリティセンター「SleekyC²を開設しました。これまでさまざまな企業様を支援してきた経験を活かし、本人確認業務を実施するための業務設計から運営までを一括で対応します。また、24時間365日で稼働するセンターを活用するため、必要な時間・席数のみの発注が可能です。

導入事例「クレジットカード会社様」

BPO企業である株式会社TMJの継続的顧客管理サポートサービス」を利用することで、効率的にAMLの強化を実現した事例です。

某クレジットカード会社様はAMLの対応にあたり、カード利用者の属性確認を推進する必要がありました。そこで、お声がけいただいたのがTMJでした。TMJからは、これまで蓄積されたノウハウに基づいて、下記4点を提案しました。

・属性ごとの接触しやすい荷電タイミングを見極めた計画策定
・効率的なトークスクリプト
・効率的なオペレーションフロー
・ヒアリングによって獲得した情報の活用

上記の提案を実践した結果、AMLにおける継続的体制の構築ができ、今まで属性確認ができていなかったカード利用者の58%に接触をすることに成功しました。また、効率化が促進されたことで、属性確認にかかっていた工数が大幅に削減されました。

最大58%の高いコンタクト率で、クレジットカード利用者の属性確認業務を支援

継続的顧客管理の対応はBPO企業に相談

BPO企業である株式会社TMJでは継続的顧客管理サポートサービスを提供しております。また、専門のセンターを活用することで、高セキュリティかつ効率的な業務進行が可能です。

対策に充てるリソースが不足していたり、スムーズな導入が求められたりする場合は、サービス導入をご検討ください。お問い合わせは<こちら>。

執筆者紹介

ビジネスのデザイン力で、事業の一翼を担うBPOパートナーのTMJ。将来にわたる経営環境に最適なビジネスプロセスを設計し、事業を代替することで、クライアント企業の継続的な事業成長を総合的にサポートしています。

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