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BPOの基礎知識


初回投稿日 : 2020/11/12
最終更新日 : 2022/02/22

業務改善につなげる「業務標準化」の進め方とは?成功事例も紹介

業務改善につなげる「業務標準化」の進め方とは

業務標準化は、業務の効率化や業務品質の向上、働きやすい環境づくりにつながり、企業の収益向上や従業員のモチベーションアップに貢献します。ここでは、業務標準化の進め方や業務標準化を進める上でのポイント、成功事例について紹介します。

業務標準化とは

業務標準化とは、従業員が最適な手順で仕事に取り組めるように業務の流れを決め、設定したルールに沿った業務を実施することを指します。

業務マニュアルや業務フロー図を作成し、業務ステップを見える化することで、担当者によって業務の品質にばらつきが出る属人的な業務をなくすことができるメリットがあります。

業務可視化によるメリットとステップ

業務標準化の進め方

業務標準化はどんなステップで進めていけばよいのでしょうか。ここでは、業務標準化の進め方について説明します。

現状把握

現状把握では、最初のステップとして業務の定量化を行います。

具体的には、業務内容を

  • 工数(業務実施にかかる時間や業務量)
  • 頻度(業務の発生頻度)
  • 難易度(業務に必要なスキルの難易度)

などの指標に基づいて業務の現状を把握します。

現状把握をする上で、管理者層だけでなく実際の業務を行っている担当者にもヒアリングを行うことで精度の高い現状把握が可能となります。アンケートやインタビューなどを通してヒアリングをしっかり行うことで、業務の標準化も進めやすくなります。

問題点の洗い出し

現状把握をした後は業務の分析を通して、問題点の洗い出しを行います。

業務負荷の分析属人的な業務の分析をすることで、業務を標準化する上での問題点を見つけやすくなります。業務量が多過ぎたり、特定の従業員に業務の負担に偏ったりしていないかを明確化することで業務標準化に向けて取り組む課題が見えてきます。

改善計画の作成

改善計画を作成する際は、業務のムリ・ムダ・ムラを排除することがポイントとなります。

「ムリ」な業務は、従業員への業務負荷が高いために業務を業務時間内に終わらせることができず、残業が発生している業務を指します。この場合は、業務の標準化を行っても改善される可能性が低く、人員の確保や業務の外部委託の検討が向いていることが多いです。

「ムダ」な業務は、廃止できる業務や重複する業務などが挙げられます。業務を見直し、業務を統合させることで従業員の業務負担を減らすことができます。

「ムラ」のある業務とは、担当者によって業務の品質が変わる業務を指します。業務の標準化を通して、業務効率化につなげやすい業務となります。

業務マニュアルの作成を通して、業務フローを標準化させることで業務品質を向上させることができます。同じ動作や手順を繰り返し行う業務はITを活用した自動化という手法もあります。
また、「ムラ」のある業務は、属人的な業務であることが多く、業務フローを標準化することで属人的な業務を解消することができます。

業務標準化を行う業務を整理した上で、改善計画を作成することが大切です。

業務効率化とは?実現する5つの手法をご紹介

業務フローの設計

業務フローの設計とは、業務の流れがわかりやすいようにフローチャートなどの図を使い業務の流れを設計することを指します。業務フロー図を作成することで、業務の一連の流れがわかりやすくなり、業務標準化に役立てることができます。四角や丸などの図形に業務内容を明記し、矢印でつなげて業務を可視化します。

業務フロー図は、業務の担当者、業務内容、業務を始める基準を明確にすることでわかりやすく表すことができます。業務を始める基準では、どんな判断基準を元に担当者は業務に着手することができるのか明記することで、担当者は迷いなく業務にとりかかることができます。

なお、状況によっては、フローが分岐することもあります。図形にそれぞれ異なる意味を持たせ、分岐部分は業務内容が書かれた図形を変えることで注意喚起をすることがポイントとなります。

業務の標準化を進める上でのポイント

業務の標準化を進める上で意識したいポイントについて説明します。

業務の優先順位

業務の標準化を進める際は、業務の優先順位をつけることがポイントとなります。業務によっては、標準化に不向きな業務があれば向いている業務もあります。

定型業務としてマニュアルに集約することができ、業務における判断基準が明確な業務は標準化する優先度が高いといえます。

緊急度と重要度

業務の緊急度と重要度は標準化を進める上で、意識したいポイントのひとつです。業務は、緊急度と重要度によって以下の4つのグループに分けることができます。

業務の緊急度×重要度

①緊急かつ重要
②緊急ではないが重要
③緊急だが重要ではない
④緊急ではなく重要でもない

この中で、②の「緊急度は低いが、重要度が高い業務」に従業員が取り組めるように業務の標準化を進めることが大切です。①の「緊急度も重要度も高い業務」は最優先で実施されていることが多い一方で、③の「緊急度は高いが、重要度が低い業務」に多くのリソースが割かれていることがあります。

業務品質を高めて企業の収益を向上させるためにも、重要度の高い業務の標準化がポイントとなります。

定期的な見直し

業務の標準化を行ったあとも定期的に実施することがポイントとなります。

標準化が問題なく実施されているか、業務品質の向上につながっているかなど定期的に見直しを行うことで、より良い業務標準化に向けた改善を重ねることができます。

業務標準化に向けた社内環境の整備

業務の標準化を実施するためには、組織間のコミュニケーションが必要不可欠です。業務標準化の目的や意図を関係者に共有することで、業務フローやマニュアルの形骸化を防ぐことができます。業務の標準化そのものがゴールではなく、従業員の業務効率の向上につなげられるようにコミュニケーションを重要視し、組織全体で取り組むことが大切です。

業務標準化の成功事例(大手通信教育会社)

グループ企業全体のコスト削減収益改善のため、これまでグループ各社で行われていたコーポレート関連業務の移管が求められていました。グループ企業はそれぞれビジネスモデルが異なっていたこともあり、ほとんど標準化が図られていない状態。初めての大改革でした。

まずは業務を可視化するところから標準化を実施しました。短期間での立ち上げだったにも関わらず、円滑かつ安定的な運用がされています。

グループ会社全体の業務標準化を成功させた事例は<こちら>

業務の標準化をし、属人化されている業務を効率化するために

現場の課題を正しく洗い出し、優先順位に従って標準化を行うことで、属人的な業務をなくし、業務効率を大きく改善することができます。

株式会社TMJでは、業務の現状把握に役立てられる業務量調査・分析パッケージを提供しています。業務標準化をご検討の方は、ぜひご相談ください!お問い合わせは、<こちら>。

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執筆者紹介

ビジネスのデザイン力で、事業の一翼を担うBPOパートナーのTMJ。将来にわたる経営環境に最適なビジネスプロセスを設計し、事業を代替することで、クライアント企業の継続的な事業成長を総合的にサポートしています。

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