BPOの基礎知識
コンタクトセンターの業務効率化を図るため、現場ではさまざまなカスタマーサポートツールが活用されています。
今回はカスタマーサポートツールに着目し、カスタマーサポートツールとは何か、種類や導入するメリットをはじめ、選び方のポイントまで幅広く解説します。
カスタマーサポートツールとは
カスタマーサポートツールとは、コンタクトセンターやカスタマーサポートなどお客様対応を担う部門の業務を効率化し、円滑でスピーディーな問い合わせ解決に寄与するツールを指します。
カスタマーサポートツールの種類
カスタマーサポートツールは、目的に応じて様々な種類があります。ここでは、4つの種類をご紹介します。
- 問い合わせ支援
- コミュニケーション支援
- 問い合わせ情報の管理
- 顧客情報管理
問い合わせ支援
問い合わせ支援ツールは、お問い合わせにスムーズに回答できるように運用面でサポートするツールです。
問い合わせ支援ツールには、
①お問い合わせを受ける側のオペレーターが回答しやすいようにサポートするツール
②問い合わせる側のお客様の自己解決をサポートするツール
の2つのタイプがあります。
①のオペーター向けのサポートツールでは、問い合わせの回答例や過去の事例などを組みこんだFAQシステムが一例となります。検索のしやすさは回答スピードを高める上で重要な要素であり、オペレーターの心理的負担の軽減にもつながります。オペレーターのサポートを通して、お客様サポートの品質を高めるツールとなります。
②のお客様向けのサポートツールでは、よくあるお問い合わせをまとめたFAQサイトやチャットボットが一例となります。チャットボットによる自動回答で、最適な回答やコンテンツへ誘導することでお客様の自己解決を高めることができます。
コミュニケーション支援
コミュニケーション支援ツールは、オペレーターとお客様のスムーズなやり取りに役立ちます。
株式会社TMJの映像サポートサービス「みえサポ」では、スマートフォンの映像と通話を組み合わせた新しいサポートスタイルをご提供しています。
お客様のスマートフォンの映像を通して、状況を正確に把握することでオペレーターは最適なサポートが可能となります。また、お客様は口頭で説明する手間を省くことができるメリットもあります。
「みえサポ」サービス紹介
ほかにも、ビジュアルIVR「みえなび」では電話をかけたお客様のスマートフォン画面に従来では音声ガイダンスでの案内だったところ、メニューボタンとして視覚的に見える形にし、最適な問い合わせ窓口へと誘導します。お客様の聞きそびれの防止や最短での案内に貢献し、コンタクトセンターにおいても入電数の削減を通した業務の効率化にも寄与します。
「みえなび」サービス紹介
問い合わせ情報の管理
電話・メール・チャットなど多岐にわたるチャネルから寄せられる問い合わせを一元管理するのが問い合わせ情報の管理ツールです。
問い合わせ情報を一元管理することでデータが蓄積され、問い合わせの傾向把握や分析を通した業務効率化への取り組みも可能となります。
たとえばよくある問い合わせ内容に関しては、FAQサイトを設置したり、チャットボットで自動回答できる仕組みを整備したりすることで、お客様の自己解決を促し、お客様が問い合わせる手間を省くことができます。
また、問い合わせの解決率などを分析することで、お客様サポートツールの見直しや業務フローの改善など業務の効率化につなげることもできます。
顧客情報管理
カスタマーサポートツールの中で、顧客情報管理に特化したものはCRMツールとも呼ばれます。
<関連記事>CRM(顧客関係管理)マーケティングとは?活用時のポイントもご紹介
お客様のお問い合わせ履歴なども含めた顧客情報を一元管理することで、お客様一人ひとりに合ったサポートやマーケティング施策の実施が可能となり、顧客満足度の向上が期待できます。そして、将来的にはロイヤルカスタマーを増やすことにもつながります。
また、CRMツールは他のシステムと連携することでより効果的に活用することができます。たとえば問い合わせ管理システムと連携することで、問い合わせを受けた際にお客様の購入履歴などを参照することでより正確で的確な回答が可能になります。的確な回答を通して、お客様とのやり取りも最小限に抑えられ、業務の効率化にも貢献します。
カスタマーサポートツールを導入するメリット
カスタマーサポートツールを導入するメリットについてここでは解説します。
正確でスピーディーな回答を通した、業務効率化
一つ目のメリットとして、カスタマーサポートツールを導入することで正確でスピーディーな回答が可能となり、業務の効率化につながることが挙げられます。
コミュニケーション支援ツールを導入し、オペレーター向けFAQシステムを整備することでオペレーターの知識による回答のばらつきをなくし、業務品質を高めながら正確でスピーディーな回答が可能となります。AHT(1コールに要する平均処理時間)の短縮にも貢献し、業務効率化に寄与するのです。
また、お客様にとっても最小限の手間でスムーズに解決できることで、顧客満足度の向上が期待されます。
顧客情報に基づいたサポートを実現し、顧客満足度が向上
二つ目のメリットとして、顧客情報に基づいたサポートを実現し、顧客満足度を高められることが挙げられます。
顧客情報管理ツールを活用することで、お客様の状況を把握した上で最適なサポートを提供することが可能です。お客様が過去の状況などを説明する手間を省くことができ、顧客満足度の向上にもつながるのです。
カスタマーサポートにかかる現場の負荷軽減
三つ目のメリットとして、カスタマーサポート業務における現場の負荷軽減が挙げられます。
お客様向けカスタマーサポートツールを導入し、電話が中心となっていたお問い合わせ対応をチャットボットなどの他チャネルにも分散させることで現場の負荷を軽減することができます。
また、カスタマーサポートツールを導入して業務を効率化することで、現場の負荷が軽減されれば離職率の防止にもつなげることができるのです。
カスタマーサポートツールを選ぶときのポイント
実際に導入することを想定し、カスタマーサポートツールを選ぶ際に押さえておきたいポイントを3つご紹介します。
自社の課題解決につながるツールであるか
一つ目のポイントとして、自社の課題解決につながるツールであるか見極めることが挙げられます。
カスタマーサポートツールにはさまざまな種類があり、自社の課題解決につながる機能をもっていることが最重要となります。
そのためには、効率化したい業務と現状の課題を洗い出し、優先順位をつけた上でツール選定を行うことが大切です。
外部システムとの連携が可能か
二つ目のポイントとして、外部システムとの連携における柔軟性が挙げられます。
カスタマーサポートツールを外部システムと連携させることで業務効率を高める効果も期待できます。情報が一元化されることで情報の漏れやミスが起きにくくなります。そして、業務品質が向上することでサービス品質の向上にもつながり、顧客満足度の向上にも寄与します。自社の利用システムとの連携可否を事前に確認しておくことが大切です。
運用体制の構築
三つ目のポイントとして、カスタマーサポートツールの運用体制を構築することがポイントとなります。
ツールは導入がゴールではなく、実際に運用し継続的に活用することで効果が生まれます。そこで、カスタマーサポートツールにおいても運用時の体制や環境を事前に考慮することが大切です。たとえば、既存の業務フローにおいてどのフェーズに組み込み、どんな体制で運用するか関係者内で決める必要があります。
自社のみで全て担うことが難しい場合には、外部へ一部委託する選択肢もあります。運用代行だけでなく、カスタマーサポートツールの選定からサポートできる場合もあります。
自社に合ったカスタマーサポートツールの活用を
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