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BPOの基礎知識


初回投稿日 : 2023/03/27

オンデマンドバスの仕組みを解説!サービスの特徴や運行に必要な準備とは

オンデマンドバスは、新しい交通システムの乗り物として普及しつつあります。従来の交通機関とは異なる点が多く、現代社会のニーズに合わせて導入されるケースが増えました。今回はMaaS事業者様向けにオンデマンドバスの仕組みを解説し、サービスの特徴や導入の準備なども紹介します。

オンデマンドバスとは

オンデマンドバスとは、相乗りで利用する予約制の交通方式を採用したバスのことです。
最近では、一般的なバス路線を併用して、この方式を採用するケースが増えてきました。バスとタクシーの長所をうまく取り入れており、通院や買い物といった日常的な用途に加え、観光エリアでは観光客にも活用されています。

オンデマンドバスの特徴・仕組み

オンデマンドバスの認知度は上がってきましたが、まだ利用した経験がないという方も少なくありません。どのようなサービスなのかイメージしやすいように、オンデマンドバスの特徴や仕組みを紹介していきます。

1.ルートが固定されていない

一般的な路線バスは出発点と終着点だけでなく、すべての経由地があらかじめ設定されています。経由地間のルートも事前に定められており、基本的に別の道路を走ることはありません。

これに対して、オンデマンドバスの場合はルートが固定されておらず、実情に合わせてAIが臨機応変にルートを自動生成します。予約状況や道路の混み具合など、さまざまデータを組み合わせて最適な経路を導出することがポイントです。この仕組みにより乗客の効率的な移送が可能になります。

2.時刻表がない

名称にバスという文字は入っていますが、タクシーと共通する要素も多いです。時刻表が存在しないこともその一つで、特定のタイムスケジュールで運行しているわけではありません。オンデマンドバスには、後述する予約システムが採用されており、移動したい時間を自分で指定することが可能です。

3.アプリや電話で予約をする

乗車を希望する場合は、あらかじめ予約をするシステムとなっています。予約にはアプリ電話を使いますが、具体的な手順などはオンデマンドバスを運営する組織によってさまざまです。また、便利な特徴として、時間やルートを指定できる自由さが挙げられます。ただし、運営側の方針によっては、指定できる範囲を制限されるケースもあります。いずれにせよ、高い自由度がありながら、比較的リーズナブルに利用できる点が大きな魅力です。

4.バーチャルバス停がある

バーチャルバス停とは、実際に存在するバス停ではなく、クラウド上のマップに定められている仮想のバス停です。乗客はアプリなどで場所の確認が可能であり、現実の位置情報とひも付けられています。

運営側はシステムの操作だけでバス停を容易に増やせますし、標柱を立てる手間や費用もかかりませんまた、住宅や施設の付近にバーチャルバス停を設定しておけば、乗客の利便性を飛躍的に高めることができます。

オンデマンドバスの導入が増加している背景

オンデマンドバスの増加には、現代社会ならではの事情が関係しています。

1.運転できない層の移動をサポートする

現代社会において、自分で車を運転できない層は少なくありません。たとえば、高齢者や、そもそも運転免許証を取得していない方もいます。また、車を持っていないケースもあるでしょう。オンデマンドバスは、一般的な交通機関では網羅しきれない場所をカバーする手段になりうるものです。特にバーチャルバス停の仕組みが便利であり、住宅や施設のそばにバス停を設定することで乗客の利便性を高めて、利用の促進につなげることができます。

2.地域の活性化に役立てる

オンデマンドバスのサービスは、基本的にアプリで申し込んで利用する形になります。そして、アプリには飲食店や施設、観光スポットを紹介するようなサービスも組み込めます。対象エリアの施設や店舗、イベントと連携させることで、経済的な相乗効果を狙うことも可能です。また、車の運転ができないという理由で外出をためらっている層は、外出や移動のハードルが大きく下がるため、地域内の往来が活性化されることも想定されます。

3.環境問題の取り組みになる

オンデマンドバスの場合、乗り合いが可能なため、複数グループを効率よく移送することが可能です。目的地が同じケースだけでなく、ルート上に目的地がある利用客も相乗りします。タクシーや自家用車の利用を比較すると、合計移動距離が短くなり排気ガスの量も少なくなるので、環境問題の取り組みとしても効果が期待できるのです。

4.乗車効率が向上する

労働人口の減少は社会問題の一つであり、交通業界も例外ではありません。運転士の減少を補うためにも、乗客を効率よく送迎する必要があります。そこで役に立つのが、AIによるルートの自動生成です。データに基づいて合理的にルートを選択するので、限られた時間の中で多くの方に乗車してもらうことができます。また、勘や経験を頼りにするものではないので、経験の浅い運転士であっても最適なルート上を運行することができます。

オンデマンドバス運行事例

オンデマンドバス運行を行う事業者様の事例を紹介します。

オンデマンドバス運行で面的なエリアカバーを実現

鉄道を基幹事業とする事業者様で、都市型MaaS構想の中核事業として大阪市内でオンデマンドバス事業に取り組んでいます。地下鉄や路線バスが充実しているように見える地域ですが、それぞれの交通機関は点と点を結んでいるようなイメージでした。そこで、エリアを面的にカバーして移動の不便さをなくすべく、オンデマンドバスの実証運行を開始しました。オンデマンドバスの認知度が低かったこともあり、認知度向上の取り組みに加えて、サービスを理解してもらうための活動にも取り組まれています。

実際の事例はこちら

「通勤オンデマンド」と「市街オンデマンド」の運行

自治体を含む8社が合同でオンデマンドバスの実証運行に取り組んだ事例です。こちら事業者様の運行エリアでは、ほとんどの方が公共交通機関を利用せずマイカーで移動をしている状況でした。一方で、マイカー以外の交通手段を求める声が多くあがっていたこともあり、高い利便性と効率的な移動がかなうオンデマンドバスが着目されました。

運行時は、高齢の利用者様も多く、乗り場を見つけられず迷ってしまうケースも発生します。そのようなときは、周辺情報を確認しながら電話で場所をご案内するなど、利用者様に寄り添った対応をしています。利用者からは「オンデマンドバスがあるから、行きたいお店に行けた」というように、新たな目的な達成できたというお声が寄せられています。

実際の事例はこちら

オンデマンドバス導入に必要なポイント

ここでは、MaaS事業者様がオンデマンドバス運行を始めるにあたり押さえるべきポイントを紹介します。

自治体との連携

オンデマンドバスは交通インフラの一端を担うため、地域貢献を前提として自治体と協力して推進する必要があります。両者が密に連携してシステムを整え、従来の交通機関との関係も調整することがポイントです。そうして使い勝手を良くしていけば、利用者は次第に定着し、持続可能なサービスになるでしょう。

問い合わせ先の用意

特に高齢者においては、スマホやアプリに不慣れな方が少なくありません。そのため、アプリを使ったサービスの利用が困難であったり、操作を迷われたりするケースがあります。よって、口頭での予約や問い合わせを行えるように、電話の窓口を用意しておく必要があります。

また、予定の時間にバスが到着しなかったり、バス停の場所が分からなかったりといった事態が発生した場合、すぐに解決する必要があります。そういった緊急性の高い問い合わせに対応するためにも、問い合わせ先の準備は必須です。

PR活動

持続可能なサービスとして地域に根付かせるためには、認知度を上げて利用者を増やす必要があります。たとえば、バスや市役所などにポスターを掲示したり、人が多く集まるイベントや施設で告知をしたりといった方法です。また、オンデマンドバスは、従来の交通機関とは異なる点が多いため、正しく理解して納得したうえで、利用してもらうには工夫が必要です。対象地域でのサービス説明会の開催や掲載物を使ってサービス内容を周知する方法が一般的です。

多くの方に役立つサービスにするために

オンデマンドバスは利便性の高い交通機関であり、注目の交通サービスです。一方で、ゼロからシステムを構築して、多くの方に利用してもらえるサービスにするのは簡単ではありません。TMJのMaaS/モビリティ支援サービスをは、小規模な実証実験にも低コストで提供が可能です。高齢者へ対応力向上にも取り組んでおり、高齢者の聴こえ方や話し方の工夫などのノウハウを蓄積しています。

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執筆者紹介

ビジネスのデザイン力で、事業の一翼を担うBPOパートナーのTMJ。将来にわたる経営環境に最適なビジネスプロセスを設計し、事業を代替することで、クライアント企業の継続的な事業成長を総合的にサポートしています。

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