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専門家コラム


初回投稿日 : 2020/03/24

デジタルトランスフォーメーション時代の業務改革の進め方

昨今、労働力不足への対応や企業の競争力向上を目的に、デジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた社内のデジタル変革を推進する動きが活発化しています。
弊社にも、業務委託とデジタル変革を掛け合わせた支援のご相談をいただくことが増えてきました。また、労働力不足の背景から、業務委託の内容にも変化がみられ、企業が委託を検討される対象領域はこれまでの単純業務から専門性の高い業務へと一部でシフトしています。

そこで今回は、DX時代の業務改革の支援として弊社が取り組んでいる

1.これまで社員中心に対応してきた「専門的で判断を伴う業務」の可視化と再構築
2.その専門業務を運営するために必要となる教育カリキュラム
3.ITソリューションの活用

についてご紹介いたします。

「専門的で判断を伴う業務」の可視化と再構築

私たちは企業における事業や業務課題に対応するために「BUSINESS DESIGN PARTNER」のサービスブランドのもと、デザインの力でクライアント事業の一翼を担うパートナーとなるべく活動を行っています。

その中で、クライアントの社内で行っている「専門的で判断を伴う業務の可視化」「企業ごとに最適な業務標準化」、それらを自動化する「ITソリューションの活用」を提供しながら、事業の一部または全部を代替し、生産性向上とコスト削減、クライアントの事業成長を下支えするサービスを目指しています。

その手段の一つとして、「サービスモデル化」を推進しています。

業務構築スピードを速め品質を担保する「サービスモデル」という仕組み

標準的な業務モデルをベースに企業の業務設計を行うことで、業務構築のスピードを速めつつ品質を担保する仕組みのことを、弊社では「サービスモデル」と呼んでいます。

また、そのベースとなる標準的な業務モデルのことを「業務参照モデル」と呼称し、業務設計時に活用しています。

 

【サービスモデル構築の概要】

具体的には、これまでに弊社が運用してきた業務のフロー・ビジネスルール・業務用語をまとめた標準的な「業務参照モデル」を利用し、業界・業務に精通したエキスパート人材が、標準的な業務参照モデルとの差分を明確にする手法でクライアント社内の業務を可視化していきます。可視化されたアウトプットから最適な業務を設計し、弊社拠点で構築しています。

業務参照モデルの活用事例

TMJではこれまで金融をはじめとするとさまざまな業界の事務領域をお預かりし、長年安定的に運営してきました。その多くは「プロセスが長く、一定の知識や判断を必要とする」ため、従来外部へのアウトソーシングが難しいと考えられてきた業務です。

そのプロセスを分解すると、ルールに従って「確認」「照合」「点検」を行い、「補完」「補記」するものです。その結果を用いて、クライアントの「判断」「承認」「審査」が実行されます。

そこで私たちTMJは、クライアントが「判断」「承認」「審査」するために、どのような情報を必要とするか、一つ一つ理解した上で業務にあたっています。このようにして、「専門的で判断を伴う業務」においては、業務プロセスを分解し、そこに存在するルール/必要スキルなどを明文化し理解した上で効率的な運用を進めています。

【事例】自動車保険の新規契約業務

例えば、自動車保険の新規契約業務においては書類に印鑑があるか必須事項に未記入がないかのほかにも、型式・登録番号・保険の種類・安全装置の有無・走行距離などの確認事項が複数あり、それぞれに処理が発生します。

これらを正しく計上するための点検(確認)作業には、一定の専門的な業界の知識とルールの理解が必要となります。

□■ 事例の詳細はこちら ■□

ソニー損害保険株式会社 様
【保険事務のBPO事例】繁閑差が激しい自動車保険の事務プロセスを委託し効率化を実現

私たちは「業務参照モデル」を基本の形として考えていますが、それは画一的な業務設計をする、ということではありません。どの業務も根底にあるやり方は共通しています。そこで「業務参照モデル」という基本形をベースに、各社のやり方・ルールを可視化して業務を再設計することで、スピーディなカスタマイズと品質担保を実現することができます。この部分が、弊社が提供するサービス運営の特長であると考えています。

再設計した専門業務を運営するための教育カリキュラム

業務設計が完了した後、運用における重要な要素としてオペレータ教育があります。

オペレータは手順を覚えるだけではなく、その業務プロセスの「意味」「影響」「背景」を理解した上で業務に従事することが重要と考えています。そこで弊社ではオペレータ向けにクライアント社内で使われる用語やルール、ポリシーを明文化し、教育を行っています。

また、業務の理解だけではなくエンドユーザーの背景を汲み取り、状況に応じた柔軟な対応や適切な判断ができることが必要です。そこで、マインドセットやエンドユーザーの行動をイメージした研修カリキュラムを組み入れています。

実はここがクライアント担当者の「ノウハウ」であり、エンドユーザーの満足度に直結します。そして企業が仕事を外部に委託する際に、再現できるのか不安を感じるポイントでもあります。
そこでこのような教育カリキュラムを取り入れることで、クライアント企業が今まで培ったルールやノウハウを受託業務の運営に活かすことができ、社内での運用と変わらない品質や対応を実現したいと考えています。

ITソリューションの活用

ここ数年、弊社にもDXに取り組む企業様から「ITソリューションの活用」についてご相談いただくことが増えてきました。各社の進め方には大きく2つの傾向があります。上流工程からビジネスプロセス全体の変革を目指されるケースと、上流工程は変えずにAIやRPAを導入して内部の処理を自動化することでビジネススピードを上げていきたいというケースです。

ビジネスプロセス全体の変革を目指される場合では、ここまでお伝えしてきた「専門性の高い業務・判断を伴う業務の可視化」「最適な業務標準化」を成功要因と捉えられており、可視化・標準化のご依頼をいただきます。

内部でビジネススピードを上げていきたいという場合、まずAI-OCRやRPAなどの自動化ツールの導入または部分的なデジタル化に着手されていることが多いようです。しかし、一部の自動化やデジタル化に着手すると、その後にクリアすべき課題が発生してしまうというお話をよくお伺いします。

「自動化・デジタル化」に着手されている企業様のよくある課題

  1. 帳票を電子化した にも関わらず、一度印刷し紙を見ながら後続処理をしている
  2. 申込受付をWeb化したが、基幹システムへの投入など一部の工程に人手作業が残っている
  3. 工程の一部に属人的な業務が存在し、自動化自体を断念している
  4. 目的が自動化ツールの導入、効果が部分最適に留まっている

ここでは、
1.帳票を電子化したにも関わらず、一度印刷し紙を見ながら後続処理をしている
を例にご説明します。

まず、帳票電子化の主なメリットは下記の通りです。

【帳票電子化のメリット】
「紙の移動が不要となるため、リードタイムが短縮できる」
「サーバーに保存されるため、入力業務などの後続処理は実施するロケーションを問わない」
「紙という物理的管理コスト、保管コストが削減される」

帳票電子化は、上流工程をデジタル化できない場合の有効なソリューションです。
また、AI-OCRを導入するために必要になる工程です。

しかし、AI-OCR導入にあたっては、場合によって帳票画像のパターンごとに仕分けが発生したり、読み取った文字をチェックする工数が想定以上にかかったりという新たなハードルが発生し、なかなか進まないことも少なくありません。
またAI-OCRの導入が進まない場合、入力を人的に行う運用が続きます。電子帳票とエントリーシステムとを分割した画面では、エントリー工程の生産性が低下し、作業者の負担となります。その結果、現場では電子化された帳票をわざわざ出力して作業するという状況に陥ってしまうのです。

AI-OCRの導入によりビジネススピードを上げたい場合は、帳票フォーマットから見直す必要があります。帳票の書式パターンを自動判別でき、かつユーザーには記入ミスや不備を誘発させない帳票設計からスタートするべきでしょう。

TMJでは、こういった状況を招くことないよう意味のある自動化を実現する支援を行っています。AI-OCRやRPAの知見や経験を持った人材が運用現場に伴奏し、導入目的に応じたプロセスに再設計し、効果的に運用に組み込んでいきます。

私たちは専門知識・業務可視化・運営ノウハウ・ITソリューションの組み合わせでデジタルトランスフォーメーションを実現し、クライアントが抱える真の課題解決やありたい姿を実現するためのサービスをご提供していきたいと考えています。

デジタルトランスフォーメーション実現に向けて検討されているご担当者様、専門性の高い業務や判断を伴う業務の可視化や整理にお悩みの方はぜひお声がけください。

執筆者紹介

ビジネスのデザイン力で、事業の一翼を担うBPOパートナーのTMJ。将来にわたる経営環境に最適なビジネスプロセスを設計し、事業を代替することで、クライアント企業の継続的な事業成長を総合的にサポートしています。

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