BPOの基礎知識
企業の生産性を向上させる上で、従業員が業務でいかに成果を上げることができているか把握することが重要です。現状を把握することで、自社に合ったツールを活用し、生産性を高めることができます。今回は、オフィスワークの生産性向上を後押しするツール選びに注目し、種類や選ぶ際のポイントをご紹介します。
生産性向上を後押しするツールの種類
オフィスワークの生産性向上を後押しするツールは大きく分けて3種類あります。
時間管理ツール
時間管理を行い、従業員が業務効率を意識することで生産性向上を後押しすることができます。
時間管理ツールを活用することで、業務にかかっている時間を把握し、グラフなどで可視化することができます。普段の業務にかけている時間で削減できる部分がないか、客観的な視点で対策を検討することができます。
たとえば、企業の利益に直結するコア業務に充てる時間が少なく、それ以外のノンコア業務に多くの時間を割いているケースがあります。この場合、ノンコア業務の負担をいかに軽減するかがポイントとなり、業務を自動化したり、廃止や統合したりできないかなど生産性の向上に向けた取り組みを検討することができます。
また、時間管理ツールを通して各業務にかけている時間を集計することで取り組む優先順位をつけやすくなります。
タスク管理ツール
各従業員が抱えているタスクを管理することで、生産性向上を後押しすることができます。
たとえば、一部の従業員に負荷の高いタスクが集中し、それが原因で職場全体の業務が滞っているケースがあります。
タスク管理ツールは、各従業員が抱えている業務を可視化し、各タスクの進捗状況を確認することもできるため、必要に応じてお互いをフォローする協力体制を築きやすくなります。
また、タスク管理ツールのなかには、個人だけでなくチームやプロジェクト単位で管理できるタイプもあります。関係者間で各自のタスク状況を共有できるため、連携が取りやすくなり、生産性が高まることが期待できます。
コミュニケーションツール
従業員の連携を強化するコミュニケーションは生産性向上に不可欠な要素です。
コロナ禍で在宅勤務を取り入れる企業も増えており、出勤時に近い環境に近づけるためにコミュニケーションツールは重要視されています。
たとえば、ビジネスチャットツールを導入することで、関係者間でのやりとりが可能となります。ツールによっては、ビデオ会議やデータや資料の受け渡しも可能となり、社内コミュニケーションの活性化を後押しします。
スマートフォンなどのモバイル端末からもアクセスできるツールを導入すれば、移動中などパソコンを取り出せない場面でもリアルタイムでやりとりをすることが可能です。
生産性向上ツールを選ぶ際のポイント
生産性を後押しするツールを選ぶ際、どんなポイントに考慮すればよいのでしょうか。ここでは、3つのポイントに絞って解説します。
コストパフォーマンス
生産性向上につながるツールを導入する際、コストパフォーマンスをしっかり考慮した上で検討することが大切です。
従業員の生産性が上がり業績が向上しても、コストがふくらんでしまうと利益が減少し、継続的にツールを活用することが難しくなってしまいます。
導入費だけでなく、運用費にも目を向け、自社が必要とする機能を絞り込むことがポイントとなります。また、無料のトライアル版を試すことで、機能に過不足がないかミスマッチを防ぐことができます。
現場で使いやすい操作性
現場でツールの活用が浸透するように、直感的に操作できる使いやすさが重要なポイントとなります。
利用にあたって多くの専門知識を必要とするツールは、従業員が使い方に慣れるまでに時間がかかり、生産性を下げてしまう可能性もあります。現場の負担を最小限にとどめ、実務の中で使いながら慣れていき、活用が浸透していくツールが理想です。
また、導入することで生産性向上につながっていることが実感できるツールを選ぶことも大事です。業務が進めやすくなったと実感できることで、より前向きに業務に取り組める環境を作ることができます。操作性を見極める際は、ツール導入の責任者だけでなく、実際に利用する現場の従業員にも試してもらうことで、現場に浸透するツールを導入することができます。
業務の課題解決に貢献
生産性向上に向けて、導入自体が目的にならないように業務の課題解決に貢献するツールであるか検討することがポイントとなります。
業務の棚卸しを行い、生産性の向上に向けてどんな課題があるのか分析し、その課題の解決に合ったツールを選ぶことが大切です。
たとえば、特定の従業員に業務が偏っていることで職場全体の生産性に影響が出ている場合は、タスク管理ツールを導入することで従業員の業務をそれぞれ把握することができ、業務の平準化を進めることができます。
ツールを活用して、生産性を高めるために
今回は、時間管理、タスク管理、コミュニケーションの視点から生産性向上につながるツールを紹介しました。企業によって生産性向上につながるツールは異なります。必要なツールを見極めるために現状の業務を見直し、課題を洗い出した上で導入に取り組むことで生産性を高めやすい環境を作ることができます。生産性向上に向けた取り組みや制度を根付かせる上でツールの活用はポイントとなります。
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