BPOの基礎知識
コロナ禍で在宅勤務が増えたことで、テレワークでも申請から承認や決済までのワークフローをスムーズに行えるようにワークフローシステムを導入する企業が増えています。
今回は、ワークフローシステムを導入するメリットや導入時のポイントなどについて解説します。
ワークフローシステムとは
ワークフローとは、企業における業務の流れや処理手順のことを指します。企業組織における体系的な流れを表すこともあれば、細分化された部署内の特定の業務を表す場合もあります。
ワークフローシステムとは、ワークフローを電子化したシステムです。電子稟議とも呼ばれ、稟議や社内申請で複数の担当者が関わる定型業務をワークフローシステムで電子化することができます。
たとえば従来の稟議申請では、稟議書を作成し、印刷した後に決められたフローに沿って各担当者の承認印をもらわなければなりませんでした。担当者の不在や複雑なフローで稟議書の処理に時間を要していたケースも少なくありません。稟議書をメールなどに添付してやり取りする場合でも、進捗状況の把握が難しく、抜け漏れが発生する可能性もあります。
ワークフローシステムを活用することで、稟議申請から承認・決裁業務までの一連の流れを電子化し、一元管理することができます。
ワークフローシステム導入のメリット
ワークフローシステムを導入することで、さまざまな効果が見込まれます。ここでは、5つのメリットについてご紹介します。
業務フローを可視化
ワークフローシステムを導入する際、業務フローの可視化が必要不可欠となり、必然的に現状の業務を見直す機会が生まれるメリットがあります。
現状の業務フローを見える化することで、フロー自体の見直しや各関係者との連携の改善などにつなげることができます。
また、ワークフローシステムを本導入すれば、ワークフローの進捗状況を一目で確認することが可能になります。フローのどの部分に時間がかかっているのか判断できるため、さらなる改善に取り組むことで、業務フローの最適化につなげることができます。
業務効率化に貢献
申請から承認・決裁までの業務を電子化して一元管理できることで、業務効率化につなげることができます。
特に承認プロセスが多い場合は、書類のやり取りにも時間がかかります。そんな複雑なフローでも、電子化することでスピーディーに処理が進められる可能性があります。
ワークフローシステムであれば、進捗状況をリアルタイムで確認でき、承認ルートのどこで滞留しているのかが判断できるため、状況に応じた対応が取りやすくなります。そして、進捗状況がわからないことの不安も解消することができます。
また、稟議書が差し戻され、修正が必要になった場合も、一から作り直さずにシステム内で修正箇所のみ変更することができます。これにより、修正作業の手間を減らし、業務を効率化できるというメリットもあるのです。
働き方改革の推進
ワークフローシステムの導入で、申請作業や承認作業のための出社が不要となることで、働き方改革の推進にもつながります。
ワークフローが電子化されることで、在宅勤務を含めたテレワークや出張先からでも対応が可能となります。承認者の管理者層にとっても、自身の都合のよいタイミングで承認・決裁業務を行うことができるメリットがあります。
時間や場所の制約から解放され、柔軟な働き方を実現する一つの取り組みとしてとらえることができます。
コロナ禍で、在宅勤務を導入しながらも申請・承認業務のためだけに出社を余儀なくされる「ハンコ出社」が問題視されていました。ワークフローシステムの導入は、通勤の負担や新型コロナウイルスの感染リスクを軽減することで、従業員の安心・安全の確保にも貢献します。
ペーパーレス化の実現
従来は紙でやりとりをしていた社内申請を電子化することで、ペーパーレス化できるメリットがあります。
紙の書類では劣化や紛失、災害時に消失するリスクがありますが、ワークフローシステムでデータが電子化されていればバックアップデータがあるため、その心配がなくなります。
また、印刷コストや原本を保存・保管するための管理コストの削減にもつなげることができます。文書によっては保存期間が法律で定められていますが、文書の電子化と合わせて検討することで、利便性を高めることができます。
内部統制の強化
ワークフローシステムを導入することで、フローに沿って処理や手続きが進むことで内部統制を強化することができます。
ワークフローの進捗とプロセスが可視化されることで、不正や改ざんのリスクを抑えられ、透明性が担保されます。
承認担当者の抜け漏れなどが発生せず、稟議内容に沿った正しい承認ルートで業務が進行するため、ワークフローにまつわるトラブルを回避できるのもメリットです。
ワークフローシステムで、ルールを遵守した公正な業務が行われることで、内部統制の構築と強化が可能です。内部統制が強化されることで、企業としての信頼性の向上にも貢献します。
ワークフローシステム導入時のポイント
ワークフローシステムは、電子稟議システム、業務効率改善ツール、業務プロセス管理システムなどと呼ばれるものもあります。ここでは、導入時のポイントをご紹介します。
ワークフローの整理
ワークフローシステムを導入する際は、事前にワークフローを整理することが重要です。
業務量調査や業務フローの見直しをしっかりと行い、フローを細かく洗い出して整理することがポイントとなります。業務プロセスの見直しでは、フローチャート図などを用いながら、業務の階層構造や分岐点などを見える化することで整理しやすくなります。
特定の担当者に業務量が偏っていることで特定のプロセスの処理に時間を要していたり、業務フローが複雑であることがスムーズな業務進行を妨げていたりなど、現状の業務状況を見直すことで課題を見つけやすくなります。
そして、課題に合わせて業務を見直し、自社のワークフローに合ったワークフローシステムを導入することが大切です。
自社に必要な機能の網羅性
自社の課題を解決できる機能が備えられているかというポイントは、ワークフローシステムの導入を検討する際に大切です。
利用できる機能が多くても、自社のワークフローに合った機能が網羅されていなければ活用が限定的になり、業務効率化への貢献度が低くなってしまいます。
また、自社の業務に合わせたカスタマイズが可能か確認することも重要です。柔軟にカスタマイズができるワークフローシステムであれば、自社の想定した業務フローを大きく変えずに導入することも可能となります。そして、早い段階から現場に浸透し、業務効率化に貢献しやすいメリットがあります。
操作性・使いやすさ
従業員が使いやすいシンプルな操作性もシステム選定の際の大切なポイントです。
特にITリテラシーにバラつきがある場合には、直感的にわかりやすく、操作しやすいことがワークフローシステムの導入を検討する際は重要です。
最近ではテレワークが普及したことで、ワークフローシステム導入時には利用者向けの説明をオンラインで実施するケースが増えています。従業員が迷いなく操作しやすいインターフェイスであることで、現場の負担を最小限に抑え、業務も進みやすくなります。
利用中の既存システムとの連携
販売管理や顧客管理などですでに運用しているシステムがある場合には、新たに導入を検討しているワークフローシステムと連携できるかは大きなポイントとなります。
連携によって双方のデータが最新データとして更新できれば、業務効率をより高めることができます。データがシステム間で連携できれば、手入力による誤入力のミスを減らしながら従業員が二度手間で作業する手間を省くことができます。
また、情報が連携されていることでスピーディーな業務対応が可能となり、業務効率を高めることができます。
ワークフローシステムの導入で業務効率化を後押し
ワークフローシステムは、現状の業務フローを見直した上で、自社に合ったシステムを導入することで業務効率化をはじめとしたさまざまな効果を見込むことができます。
株式会社TMJでは、ワークフローシステム導入に必要不可欠な現状業務の把握に役立てられる業務量調査・分析パッケージを提供しています。ワークフローシステムの導入をご検討の際は、ぜひご相談ください!お問い合わせは、<こちら>。
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