BPOの基礎知識
ITテクノロジーで変革をもたらすDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現する技術のひとつとしてAIは注目されています。
今回は、顧客接点におけるAIの活用シーンをはじめ、メリットやデメリットについて解説します。
AI(人工知能)とは
AIとは「Artificial Intelligence」の略称で、日本語では「人工知能」と訳され、自身で学習したり判断したりと、人間の頭脳に近い機能を備えたコンピューターシステムです。
通常のコンピューターは、指示されたプログラム通りに作動するだけですが、AIが搭載されたコンピューターでは、これまでのデータをもとに、状況に合わせて柔軟かつ適切な対応や判断が可能となります。
AIを導入することで、複雑かつ膨大なさまざまな作業の簡略化や自動化につながると期待されています。
AIの活用シーン
AIは、すでにビジネスのさまざまな場面で導入が進んでいます。
AIをうまく活用するためには、自社が行う作業の中でAIと相性の良い領域を見極めることが大切です。ここでは、AIの具体的な活用シーンを紹介します。
定型業務の自動化
1つ目の活用シーンは、定型業務の自動化です。
- 大量のテキストデータの分類
- 音声からテキストデータに変換する音声認識
- 画像から必要情報を識別する画像認識
など、一定のパターンに沿ってAIが機械学習をしながら業務を自動化することができます。
人では実施することが難しい膨大な作業量でも、スピーディーかつ正確に処理することができます。AIでは判断が難しい例外的な処理は、人が対応することで作業効率の向上に貢献します。
データ分析
2つ目の活用シーンは、大量データの分析です。
たとえば、コンタクトセンターに寄せられるメールや電話でのお問い合わせや要望、SNSの口コミなどのVOC(顧客の声)を分析する際に、AIの自然言語処理(テキスト解析)技術(テキスト解析)を活用できます。
VOC分析ができれば、お客様の本音に寄り添いながら、ニーズに合った商品を開発やサービスの改善に取り組むことができます。AIを自社のマーケティングに活用することで、他社との差別化につなげ、売上向上への貢献も期待できます。
また、AIを活用し、オペレーターの音声感情解析を行うことで、オペレーターの感情に寄り添った取り組みを行い、モチベーションアップを図ることで、お客様とのコミュニケーション活性化につなげるサービスも生まれています。
新しい顧客接点
3つ目の活用シーンは、顧客接点の開拓です。
コロナ禍でこれまでの常識や価値観が大きく変化する「ニューノーマル時代」が訪れ、企業においても新しい時代に即したビジネス施策が求められています。対面での接触が難しくなった今、非対面の顧客接点にも力を入れることが必要です。
たとえば、AIを搭載したチャットボットを導入することで、営業時間外でもお客様の問い合わせに対応する体制を作ることができます。
AI活用のメリット
AIを活用することでどんなメリットがあるのか3つの側面から解説します。
業務効率化
AIを活用することで、スピーディーに大量のデータ処理ができます。
有人対応で行う場合と比べて、従業員の業務負担を大きく削減することが可能です。従業員は、利益につながるコア業務により集中することができ、業務を効率化させながら、生産性も向上できる可能性があります。
また、AIで人為的な判断のブレをなくすことで、業務品質の統一することでも業務効率化につなげることができえます。
人手不足の解消
AIが迅速かつ正確に作業をこなしていけば、これまで従業員が行っていた業務を部分的に代行し、人手不足を解消できます。
少子高齢化時代で、人手不足が多くの業界で深刻な問題となる中で、大きなメリットのひとつです。また、人手が足りないために長時間労働が前提となっている職場環境を改善することで、働き方改革の推進にもつながることが期待されています。
CX(顧客体験)の向上
AIを通して、顧客接点を強化することで、CX(顧客体験)も向上させることが期待できます。
たとえば、AIを搭載したチャットボットを自社サイトに設置することで、お客様は気軽に問い合わせが可能になり、商品やサービスの理解促進につなげることができます。
また、チャットボットと有人対応を組み合わせるのも一つの手です。簡単な質問は、チャットボットでスピーディーに解決し、複雑な問い合わせやイレギュラーなケースはコンタクトセンターに引継ぎ対応することで、CXを向上し、顧客満足度をさらに高められる可能性があります。
AI活用のデメリット
さまざまなメリットがあるAIにも、デメリットはあります。導入する前に、AIのデメリットについてもしっかり把握することが大切です。
データ準備のハードル
AIを導入する上で、データ準備のハードルが高いというデメリットがあります。
たとえば、AIが学習する上で必要となる「教師データ」を準備するデータプレパレーションと呼ばれるプロセスがあります。類義語や表記の揺れの登録などを良質なデータを含んだ精度の高い教師データを読み込ませることでAIの学習が進みます。データを準備する上で、多くの時間と労力は必要となります。
データ準備のハードルが高いことで、AI導入が進んでいないという企業も少なくありません。
また、導入後にも定期的にメンテナンスが必要となり、データを見直すことでより精度を高めることができます。
思考プロセスのブラックボックス化
AIには、ディープラーニングと呼ばれる機能があり、蓄積した膨大なデータや経験を通して学習し、自律的に答えを導き出します。しかし、その思考プロセスが人間にはわかりづらいということがデメリットのひとつで、「ブラックボックス」とも呼ばれています。
AIが答えを導き出しても、その結論に至るまでの思考を人は追うことができないため、その答えが最適なのか判断に迷う可能性もあります。判断基準が明確である必要がある作業においては、大きなデメリットとなり得ます。
リスクマネジメントの難しさ
AIを使っていてトラブルが発生した際、トラブルの原因を突き止めるのに時間がかかり、解決までに時間を要するリスクがあるデメリットがあります。
特に、AIが業務の中で多くの行程に関係している場合には、そのリスクが大きくなるため注意が必要です。AIは学習しながら作業をしているため、問題点の洗い出しに時間がかかってしまう傾向があります。AIのリスクを管理するサービスを導入するなど、事前に管理体制を確立することが大切です。
AIを活用したTMJのサービス
AIの活用には、専門的な知識や技術スキルは必要となり、自社で一から導入することは非常に大変です。株式会社TMJでは、AIの導入支援をはじめ、AIを活用したサービスを展開しています。
AI導入支援サービス
AI導入支援サービスでは、AIの導入から運用まで総合的に支援します。
企業の課題や要望に合わせてAIの活用領域をご提案します。そして、AIエンジンの選定から導入後のオペレーションの代行までワンストップで導入をサポートします。AIの導入をこれから検討したい方に最適なサービスです。
詳しくは、<こちら>。
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AIテキスト分類サービスでは、AIの機械学習を利用し、大量テキストデータの自動分類をするサービスです。
WEB広告の原稿チェック、コミュニティサイトの投稿内容の監視、情報の割り振りなど人手に頼っていた作業をAIで代行することができます。
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AI-VOC分析サービス
AI-VOC分析サービスは、AIの技術とテキストマイニングを組み合わせてVOC(顧客の声)を分析する独自のサービスです。
収集、蓄積、分類・分析、活用のステップに沿って、お客様の声に耳を傾けるマーケティング施策をサポートします。商品やサービスの開発や改善、顧客接点の改善や最適化などに企業の課題に合わせた分析を実施します。
自社の課題に合わせたAI活用を

AIの導入にあたって、業務効率化や人手不足解消などのメリットだけでなく、思考プロセスのブラックボックス化などのデメリットもふまえて検討することが大切です。
株式会社TMJでは、企業の課題に合わせて幅広いサービスを展開しています。AIの活用をご検討の際は、ぜひご相談ください!詳しくは、<こちら>。
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