課税事業者がインボイス制度への対応を怠ってしまうと、顧客離れにより売上が減少する可能性があります。
消費税の納税額を抑えることができる仕入税額控除を利用するには、請求書等の保存が必要です。インボイス制度が開始されると、請求書等は「適格請求書(インボイス)」と呼ばれる形式に変更されます。
この適格請求書には、登録番号の記載が必須になります。登録番号とは、適格請求書を発行したい課税事業者が申請を行うことで得られる番号のことです。申請を済ませて登録番号を得た事業者のことを「適格請求書発行事業者」と呼びます。
登録番号を記載していない請求書では、仕入税額控除の適用を受けることができず、受け取った側は消費税を多く納税することになります。
そのため、登録番号が記載された適格請求書を発行できない事業者とは取引をしたくないという企業が増えることが予測されています。登録番号を得るには事前に税務署へ申請を行わなければならないため、課税事業者の方はインボイス制度開始前に税務署への届出を含むインボイス制度への対応を済ませておく必要があるのです。
なお、申請を行い適格請求書発行事業者となるかどうかは任意となっています。そのため申請を行わず、適格請求書発行事業者にならない選択をすることも可能です。その場合、登録番号を得ることができないため、適格請求書は発行できません。