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BPOの基礎知識


初回投稿日 : 2023/04/25

頻発する自然災害に保険会社はどう備える?サービス水準を保つ方法

近年、各地で発生する地震や台風による大規模被害を耳にすることが増えました。自然災害発生後の繁閑対策に課題感のある損害保険会社様も少なくないのではないでしょうか。そこで、本記事では災害発生後の対応のために保険会社が事前に整理しておくべき要件や、対策の事例をご紹介します。

自然災害発生!損害保険会社に起こることとは

地震や台風、豪雨、豪雪など、自然災害の発生直後から保険会社への入電数が激増し、関連業務の対応数が増大します。具体的にどのような状態になるのかを解説します。

自然災害直後から入電数が激増

自然災害の発生直後から保険会社には被害を受けたお客さまから入電があります。災害の規模によっては、対応オペレーターが足らず、他業務の担当者を配置したり、急遽オペレーターを増員したりする必要があります。また、オペレーターを増員する場合は、施設や機材などをオペレーターの数に合わせて揃える必要があります。保険会社では、これらの手配を短期間で行なう必要があるのです。

繁忙の山は後続プロセスへ移行

保険会社は一次ヒアリングを行った後、損害保険登録鑑定人が訪問する日程を調整し、査定を行います。繁忙の山は徐々に事務処理などを含む後続のプロセスに移っていきます

人的リソースの不足などの要因から各プロセスにおいてスタックが発生してしまうと、保険金支払いがスムーズに進まない可能性があります。

品質を担保するために必要な対策とは?

災害発生時、保険会社には通常業務に加えて緊急の対応を求められます。品質を保ちつつ、滞りなく災害対応を行うためには、どのような対策必要なのでしょうか。ここでは、特に有効な対策を解説します。

ホームページに問い合わせ先を明記

前述のとおり、自然災害が起こった直後から入電数の増加が見込まれます。その際の問い合わせが通常の事故受け付けセンターに流入することで、センターの業務が圧迫され、対応に遅延が発生してしまう可能性があります。

そういった事態を防ぐ方法として、自然災害対応を行う特設デスクを用意することが挙げられます。その際、ホームページやFAQなどに連絡先をわかりやすく記載しておくことで、通常の事故対応デスクに自然災害被害の問い合わせが入らないよう、入電の切り分けをすることが可能です。

自動応答ツールの活用

自然災害が起こった際の緊急対策窓口として、ボイスボットチャットボットを活用するのもひとつの方法です。入電が多くオペレーターが対応しきれないときでも、これらの自動応答ツールを活用することで、必要項目をヒアリングすることが可能です。

一方で、お客様お一人おひとりの気持ちに寄り添うためには、すべての入電に対して有人対応が必要と考えられる保険会社様も少なくないのではないでしょうか。しかし、お客様にとって電話口で長時間待たされたり、何度かけなおしても電話がつながらなかったりという状況は、不安や不満につながるケースがあります。

夜間や休日のようにオペレーターの確保が難しい時間帯や、想定以上の件数の入電があったときなどに限定して自動応答ツールを活用することも可能です。

TMJでは、自動応答ツールの導入から運用までをサポートするAI音声自動応答サービスを提供しております。企業の状況や方針に沿って、CXの向上とオペレーター工数の削減につながる提案をいたします。

人員リソースの調整

人員確保や調整も自然災害発生時の繁閑対策として重要なポイントです。以下、人員リソースの調整で挙げられることの多い「社員」「派遣社員」「委託ベンダー」の活用について特徴を解説します。

社員

対応フローの整理をしておくだけで、人員の調整がしやすく、状況に応じた対応ができるというメリットがある一方で、大規模な自然災害が発生した場合は、対応期間が長引き通常の業務に支障をきたすケースもあります。

派遣社員

派遣社員に対策デスクの対応を任せることで、社員の工数を削減することができます。また、社員が直接指示を出すことも可能なため、臨機応変な対応が可能であることもメリットでしょう。

ただし、管理者として社員が常駐する必要があります。さらに、派遣の要請をする際、依頼先が1社のみでは人員を充足させることは難しく、複数社に依頼をする必要があります。研修資料、運営フローなどについても、保険会社側が作成および管理をしなければなりません。人員の派遣依頼から研修などの対応は自然災害発生後に行うため、入電が増加するタイミングに間に合わない可能性についても考慮する必要があります。

委託ベンダー

委託ベンダーの場合、オペレーターと管理者の確保から、業務フローの作成や研修まで任せることが可能。管理工数を含む一連の業務の工数を削減できます。

しかし、このような体制の構築は短時間で行えるものではなく、あらかじめ要件の調整などが必要な場合があります。そのため、通常時から要件整理をしておく取り決めをしておきましょう。

TMJでは、自然災害対応を含む損害保険会社ならではの業務を代行する「損害保険会社向けBPOサポートを提供しています。損害保険会社に特化したノウハウが多く蓄積しているため、難易度の高い業務であってもお気軽にご相談ください。

受付センターのエリア選定

もし受付センターのあるエリアで自然災害が起こった場合、業務を停止させることになり、対応が遅れる可能性が高まります。そのような事態を避けるために、受付センターを災害の被害を受けにくいエリアに設置したり、複数箇所にセンターを分けたりといった対策を行います。

RPA(自動化ツール)の導入

RPA(自動化ツール)を導入することでパソコンを使った作業の一部を自動化することが可能です。問い合わせ対応の後続業務にRPAを活用することで、工数削減と人的ミスの低減につながり、業務の効率化を実現することが可能です。

TMJが提供する「RPAサービス」の場合は、活用方法の提案から導入・運用に関する実作業までの全工程をサポートいたします。企業の状況や目指したい目標に合わせたオーダーメイドな対応が可能です。

保険会社の事例

自然災害の発生に備えて対策をしている企業の取り組みを紹介します。

短期間での人材確保を実現した事例

災害発生時における受電体制の構築に頭を悩ませていた損害保険会社様が、外部リソースを有効活用することにより課題を解決した事例です。

こちらの損害保険会社様は、これまで自然災害発生時に、人員の確保や対応フローの整備、業務資料の準備などをすべて自社で行っていました。しかし、短期間で多くの人員を確保することは容易ではなく、災害発生後の爆発的な入電に対応しきれない状況でした。さらに、業務要件やマニュアル整備、研修実施などに対応するため、社員の工数はひっ迫していました。

そこでTMJからは事前に業務要件やマニュアルの整理、オペレーターの研修などを実施することを提案。これらを実施したことで、短いリードタイムでの人材確保が実現しました。さらに、外部リソースを有効活用することで、社員のリソースを災害対策のコア業務に配置させることが可能になりました。

≪事例≫自然災害に備えた対応プランで、災害発生時に30席の受電体制を構築

拠点を分散してBCP対策を行った事例

損害保険会社様が各地で頻発する自然災害の対策のため、東京での一極集中型の受付体制を危惧してBCP対策のために拠点を分散させた事例です。

こちらの保険会社様は、保険金請求に関するバックオフィス業務としてペーパーレス化などからはじめ、その後、BCP対策として自社で行われていた事故受付とその後続業務を行うサービスセンターをTMJへ委託されました。

サービスセンターは損害に関する調査から保険金支払いまでを行っており、高度なスキルが必要です。月2回の定例打合せを行い、業務フローやタスク表を作成して、地方での拠点立ち上げを実施しました。人材研修を非常に丁寧に実施したことで、委託後は結果的に、応答率の改善による生産性や応対品質が向上しました。

≪事例≫事故受付センター・サービスセンターなど高スキル業務の外部委託、BCP対策や顧客満足度向上にも貢献

体制強化により遅延の発生を削減した事例

こちらの損害保険会社様では、自然災害が発生した後の事故受付、現地調査、保険金の査定という流れにおいて繁忙による対応遅れが発生することに課題を感じておられました。そこで、TMJから外部リソースの活用と災害対策としての事前準備を提案しました。具体的には、短期間でのリソースの提供や、災害発生時の人員の投入タイミングや対応範囲事前の整備現地調査の日程調整サポートです。

これらの対策を実施した結果、自然災害発生時の保険金支払いまでの業務体制が強化され、遅延の発生を削減することに成功しました。また、社員を適切に確保し、災害発生時の重要な業務において最適な配置を行えるようになりました。

≪事例≫鑑定人の日程調整をアウトソーシングすることで円滑な運営が実現

事前の対策で災害対応の品質向上を

自然災害発生時でも品質を下げることなく、すべてのお客さまに満足していただくためには事前の対策が必須です。損害保険会社向けBPOサポートでは、自然災害発生時における業務上の負担の軽減や業務の効率化、顧客満足度の向上などを実現することが可能です。お問い合わせはこちら

執筆者紹介

ビジネスのデザイン力で、事業の一翼を担うBPOパートナーのTMJ。将来にわたる経営環境に最適なビジネスプロセスを設計し、事業を代替することで、クライアント企業の継続的な事業成長を総合的にサポートしています。

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