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BPOの基礎知識


FAQ
初回投稿日 : 2020/08/24

FAQとは?顧客対応力を上げるノウハウを解説

FAQ

企業には、顧客をはじめとするさまざまな方々から問い合わせがあります。こうした問い合わせの対応に、人員や労力を割かれている企業も少なくありません。問い合わせ対応の効率化に有効な手段の1つがFAQですが、一般的なQ&Aとは何が異なるのでしょうか。今回は、FAQの定義や導入するメリット・デメリット、導入におけるポイントについてノウハウも含めて解説します。

FAQの定義とQ&Aの違い

FAQとは、「Frequently Asked Questions」の略称で、よくある質問をまとめたものを指します。FAQは、質問に対し一問一答式に回答する形が一般的であるため、質問と回答がセットになったものを指すケースが多いです。FAQでは「頻繁に聞かれる質問」を抽出して利用しますが、Q&Aと同様に考えられがちで、混同した使い方がされる場合も少なくありません。ここでは、FAQの特性について解説します。

FAQはその定義通り、「よく聞かれる質問」であり、「周囲から関心をもたれている情報」ともいえます。関心をもたれているのは、ある製品やサービス、コンテンツが興味をひいている場合もありますし、情報提供が少ないことが原因である場合もあります。関心をもっていただいている質問者に真摯に向き合い、回答を用意しておけば質問者の信頼や満足につながります。FAQはいわば「マーケットイン型」のコミュニケーション方法です。

対してQ&Aでは、回答の部分に企業が発信したい情報が入っているケースが多く、「プロダクトアウト型」のコミュニケーション方法と考えられます。企業の提供したい情報を発信できるメリットがありますが、実際の質問者の有無を問わないため、情報を受信する側のニーズに合致しない内容になっている場合もあります。

このようにFAQとQ&Aでは特徴が違うため、正しく理解し、状況に合わせて使い分ける必要があります。特に、業務の効率化という視点では、質問頻度の多いFAQへの対策が必要となります。

FAQ導入のメリット

FAQの作成に労力を割けない、あるいは作成の必要性を感じられないといった理由から、導入を避けている企業や担当者もいます。では、FAQの導入で企業にはどのようなメリットが期待できるのでしょうか。FAQの導入では、単純に対応の時間を削減できるだけでなく、さまざまなメリットが期待できます。

顧客対応力の向上

FAQの導入による大きなメリットの1つが、「顧客対応力の向上」です。頻繁に問い合わせがある内容であれば、担当者は回答を熟知しており、対応を行っています。しかし、誰もが同じクオリティで回答しているとは限りません。FAQを導入すれば、質問者は担当者に左右されることなく常に同じレベルの回答が受けられるようになります。

また、属人的な対応からの脱却ができることも顧客対応力の向上において重要です。丁寧に対応する担当者もいれば、大雑把な回答をする担当者もいます。1つの質問をFAQであると明示することによって、暗黙知が形式知となり、担当者間の理解も統一されることもFAQの大きなメリットといえます。

問い合わせの工数削減

FAQは「よくある質問」であるため、その質問や回答の内容を公開しておくことで問い合わせ対応の工数を削減できます。顧客をはじめとする関係者とのコミュニケーションは大切ですが、直接コミュニケーションをする重要性が低い質問もあります。FAQを公開することによって、担当者は問い合わせ対応以外の業務に時間や労力を割くことができます。

電話やメールでの問い合わせ対応には、質問者の求めていた回答とは異なる回答を返してしまったり、誤った回答を伝えてしまったりといったこともあります。対応を間違うことでトラブルが生じてしまえば、多くの時間を取られてしまいます。FAQ情報を公開することで、問い合わせへの直接の対応を減らし、問い合わせ対応から生じるリスクを軽減できることもFAQのメリットです。

同じ質問のために多くの人が問い合わせれば、電話がつながりづらくなり質問者の不満を大きくしてしまう可能性もあります。FAQに掲載されている内容に関する問い合わせが減ることで、コンタクトセンターの運営費用が減ったり、担当者の負担が大きく下がったりする場合もあります。そのため、問い合わせへの対応のために多くの人員や費用を割いている企業が、FAQページを制作して業務の効率化を目指すケースが増えてきています。

サイト価値の向上

自社のWEBサイトにFAQページを作っておけば、サイト価値の向上も期待できます。インターネットを利用して情報収集を行う人が多くなっており、企業に直接問い合わせるよりも先に、まずインターネットでの情報検索をまず行う人が多くなっているからです。Googleなどの検索エンジンは入力キーワードに対して適切な答えを用意しているサイトを高く評価し、検索結果の上位に表示します。そのため、FAQサイトを用意するだけでも、自然な形でSEO対策(※)が可能です。

WEB制作会社でも、検索されるキーワードなどを詳細に分析し、効果の高いFAQサイトの作成を支援するサービスを提供する企業が増えています。サイト価値の向上は、問い合わせ対応だけではなく、営業や採用などさまざまな面で有益をもたらす場合が多いため、企業にとって非常に有益です。FAQは自社サイトにおける優良コンテンツとなるケースもあり、サイト価値の向上にもつながります。
※SEO対策:「Search Engine Optimization」の略称で、検索エンジン最適化を指します。自社サイトが検索された際に、上位に表示されるための施策です。

FAQ導入のデメリット

FAQの導入によって企業には多くのメリットが期待できます。しかし、一方で導入を検討する際にはFAQを作るデメリットも考慮する必要があります。ここでは、FAQ導入におけるデメリットについて紹介します。

制作コストがかかる

FAQの導入には、制作のためのコストがかかります。データからFAQを抽出し、回答のノウハウをまとめるだけでも多くの時間が必要ですし、さらにそれをWEBサイトやパンフレットなどの印刷媒体に合わせて分かりやすく整える必要もあります。これらの金額はさまざまな条件によって決まりますが、想定以上にコストがかかる場合も多く注意する必要があります。

単なるQ&Aではなく、ユーザーニーズに応えるFAQを作成する場合は、しっかりと実績データに基づいて作成しなければ効果が薄れてしまう可能性があります。また、FAQに対する回答の質によっては、より多くの問い合わせを招く可能性があります。

そのため、FAQを導入する場合には導入計画をしっかり立てて、調査や分析、回答の検討、チェックなどのプロセスを明確にした上で実施しましょう。企業にとって、FAQは関係者との貴重な接点ですので、担当者に一任することは避けて、しっかりとプロジェクトチームを結成してからの作成が求められます。

FAQの導入にはどうしても制作コストがかかりますが、それを上回るメリットが期待できるため、品質にこだわるようにしましょう。

FAQの追加・更新作業が必要

FAQは一度作れば終わりではありません。顧客をはじめとする関係者に対して提供する1つのサービスという認識が必要です。サービス管理では、サービスの提供で終わらずに定期的な見直しや更新などを行いますが、FAQについても同じくメンテナンスが必要となります。

企業が新しいサービスや活動を始めた場合、従来にはなかった質問への問い合わせが急増する場合がありますし、一時期多かった問い合わせが減るケースもあります。「とりあえず全部載せておく」のは、見せ方によってはFAQが使いにくくなる原因になります。定期的に問い合わせ件数のデータを見直し、適切な内容や数に更新したり、サイト内に検索機能を追加することで見やすさを考慮したりする必要があります。

また、公開しているFAQの内容に不足があれば、都度情報を追加したり、表現を修正したりすることで質問者の満足度を高めることにもつながります。

FAQ導入の手引き・ポイント

FAQの導入を決めてから、実際に導入しようとするとさまざまな壁にぶつかることもあります。ここでは、FAQの導入における手順やポイントについて解説します。

お客様からの問い合わせを集めておく

FAQは、実際にあった質問をもとに作るため、VOC(※)と呼ばれる顧客の声を集めておく必要があります。お客様からコンタクトセンターに寄せられる問い合わせの内容を録音したり、その内容をデータベースに入力したりといった作業には労力がかかりますが、効果的なFAQを作成するための重要な作業です。自社での対応が難しい場合、外部に一定期間だけでも委託する方法もあります

また、質問内容だけを抽出し、その回答を考えるだけではFAQの効果が期待できないこともあります。年齢や性別といった相手の属性や問い合わせの内容は、FAQにおいて何を提供したらよいのかを示す大事な情報です。そのため、「いつ」「誰が」「どんな理由で」「どんな内容の」問い合わせをしているのか、取得が必要な情報をしっかりと設計してから情報を集めましょう。
※VOC:「Voice of Customer」の略称で、お客様の声を指します。コンタクトセンターに寄せられる意見や問い合わせをはじめ、アンケートへの回答やSNSで発信されるレビュー情報など幅広い情報源が対象となります。

社内でFAQ内容を共有し、回答の質を統一する

FAQを外部に公開するだけでなく、社内にも回答を共有する必要があります。そのために、回答をまとめた社内での対応マニュアルの用意は効果的です。

FAQに掲載した内容でも、電話やメールで問い合わせがくることがあります。その際に、問い合わせ時の担当者の説明とFAQサイトで内容が異なると質問者に不信感を与えてしまう可能性があります。そのため、全社でFAQの内容を共有し、回答内容の質を統一することが重要です。このように組織で情報・知識を共有することはナレッジマネジメントとも呼ばれ、社内の生産性向上にもつながります。

<関連コラム>
顧客と企業はWin-Winの関係に!FAQマネジメントを推進するナレッジマネージャーの重要性

顧客にわかりやすい導線を設置する

どんなに良質なFAQを作れたとしても、実際に利用されなければ効果を発揮することができません。そのため、FAQは顧客にとってわかりやすい位置に設置し、自然に目に入ったり、すぐに探せたりする必要があります。

商品紹介ページの中に製品に関するFAQを設けたり、それぞれの製品に共通する送料などに関するFAQページへの導線を共通パーツとしてページ内に設置したりするといった工夫が大切です。

検索エンジンでの検索を意識し、分かりやすいページタイトルにしたり、検索機能をページ内に盛り込むことで質問者が回答にたどり着きやすい仕組みを用意したりすることが挙げられます。質問者の行動を具体的にイメージし、自然な形でFAQを表示することが理想的です。

サイト内での導線設計をしっかり練ることで、FAQを利用頻度も高めることができます。

導線設置後は、ページのアクセス解析をすることでデータに基づいて改善を行ったり、外部に依頼して定期的にレポートを作ってもらったりすることでより効果のあるFAQに育てることができます。

<関連コラム>
コンバージョンを上げるFAQ活用!お客様の行動を妨げない導線設計でサイト改善した事例

企業価値の向上につながるFAQ活用を

働き方改革によって、企業はさまざまな面で業務の効率化を求められています。問い合わせ対応の業務1つでも、多くの時間と労力を要します。FAQを活用することで、顧客対応力が向上し、企業価値の向上の効果も期待できます。

株式会社TMJでは、FAQのシステム構築から改善までトータルで支援するFAQインテグレーションサービスを提供しております。コンタクトセンターの運営ノウハウをフル活用し、FAQにまつわるクライアントの課題に合わせたプランをご用意しております。FAQ導入をご検討の際は、ぜひご相談ください!お問い合わせは<こちら>。

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執筆者紹介

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