BPOの基礎知識
人手不足や業務の属人化などを背景に、業務効率化の重要性が高まっています。ただし、ツールを導入するだけでは十分な効果につながりません。重要なのは、現状を把握し、課題に合った改善策を選ぶことです。本記事では、業務効率化の考え方と進め方、10のアイデア、事例を紹介します。
- 業務効率化とは?生産性向上との違い
- 業務効率化が必要になる3つの状態
- 1.手作業や重複作業に時間がかかっている
- 2.業務が属人化し、担当者に依存している
- 3.情報共有や部門間連携に時間がかかっている
- 業務効率化を実現する10のアイデア
- 1.不要な業務をやめる
- 2.業務量や手順を減らす
- 3.重複する業務をまとめる
- 4.業務を標準化する
- 5.業務量を平準化する
- 6.コア業務とノンコア業務を分け、役割分担を見直す
- 7.必要な情報を集約し、共有しやすくする
- 8.デジタルツールやAIを活用して自動化する
- 9.業務をアウトソーシングする
- 10.効果を測定し、継続的に改善する
- 業務効率化を進める5つのステップ
- ステップ1:現状の業務を可視化する
- ステップ2:課題と原因を整理する
- ステップ3:改善策と優先順位を決める
- ステップ4:実施し、現場へ定着させる
- ステップ5:効果を検証し、見直す
- 業務効率化を成功させるためのポイント
- 【事例】業務効率化につながった取り組み
- 事例1 管理・間接業務を可視化し、標準化・移管を実施
- 事例2 業務を棚卸しし、ノンコア業務を外部委託
- まとめ|業務効率化は現状把握から始める
業務効率化とは?生産性向上との違い
業務効率化とは、業務に含まれる「ムリ・ムダ・ムラ」を見直し、必要な成果をより少ない時間や工数で生み出せるようにする取り組みです。不要な作業をなくす、手順をそろえる、重複する業務をまとめる、定型作業を自動化するなどの方法があります。
一方、生産性向上は、投入した人員・時間・コストなどに対して、生み出す成果を高めていく考え方です。
業務効率化は、生産性向上を実現するための手段の一つと捉えると分かりやすいでしょう。
業務効率化が必要になる3つの状態
業務効率化の方法を考える前に、まず自社のどこに課題があるかを確認しましょう。代表的なのは次のような状態です。
1.手作業や重複作業に時間がかかっている
紙の書類管理や手入力、同じ内容の転記、複数部署での重複した確認などが多い場合、本来必要な業務以外に時間を使っている可能性があります。
2.業務が属人化し、担当者に依存している
特定の担当者しか手順や判断基準を把握していないと、その担当者の不在時に業務が停滞しやすくなります。また、業務の進め方が見えにくいため、改善箇所も見つけにくくなります。
3.情報共有や部門間連携に時間がかかっている
必要な情報が複数の場所に分散していたり、確認や承認のやり取りが増えていたりすると、業務そのものより情報を探す・確認することに時間を取られる場合があります。
業務効率化を実現する10のアイデア

業務効率化では、最初から特定のツールや方法を決めるのではなく、現状の課題に合わせて改善策を選ぶことが重要です。ここでは10のアイデアを紹介します。
1.不要な業務をやめる
まず、現在行っている業務が本当に必要かを確認します。慣例として続いている会議や資料作成、重複した確認作業などは、目的や利用状況を確認した上で、廃止できないか検討します。
2.業務量や手順を減らす
業務そのものをなくせない場合でも、入力項目や確認回数、承認段階などを見直すことで、作業量を減らせることがあります。現在のやり方を前提とせず、必要な工程だけを残すことが重要です。
3.重複する業務をまとめる
部署や拠点ごとに同じような業務を行っている場合は、共通化・集約によって効率化できる可能性があります。業務特性や現場への影響を確認しながら検討します。
4.業務を標準化する
担当者ごとに手順や判断が異なる業務は、標準的な業務フローやルール、マニュアルを整備することで、品質のばらつきを抑えやすくなります。属人化の解消や引き継ぎ・教育の効率化にもつながります。
5.業務量を平準化する
特定の担当者や時期に業務が集中している場合は、業務量を可視化し、担当範囲や分担を見直します。標準化と組み合わせることで、複数の担当者が対応できる状態をつくりやすくなります。
6.コア業務とノンコア業務を分け、役割分担を見直す
業務を「自社の強みや成果に直結する業務」と「その遂行を支える業務」に整理すると、限られた人員をどこに集中させるべきか判断しやすくなります。個人単位ではなく、組織全体で最適な役割分担を考えることがポイントです。
7.必要な情報を集約し、共有しやすくする
業務に必要な情報が複数のシステムやファイルに分散していると、検索や確認に時間がかかります。保管場所や更新ルールを整理し、必要な人が必要な情報へアクセスできる環境を整えます。
8.デジタルツールやAIを活用して自動化する
定型的な入力・集計・照合など、一定のルールで繰り返し行う業務は、自動化できる可能性があります。デジタルツールやAIの活用により、作業時間の短縮や人的ミスの削減につながる場合があります。
ただし、ツール導入そのものを目的にせず、対象業務や期待する効果を明確にした上で選定することが重要です。
9.業務をアウトソーシングする
社内で行う必要性が低い業務や、一定量が継続的に発生する業務は、外部委託も選択肢になります。
単純な業務代行だけでなく、業務プロセスの見直しや運用改善まで含めて外部へ委託するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)という方法もあります。自社で改善する場合と外部を活用する場合の費用・体制・専門性などを比較して判断します。
10.効果を測定し、継続的に改善する
施策を実施した後は、作業時間や処理件数、ミス件数など、自社の目的に合った指標で効果を確認します。数値だけでなく現場の負担や業務品質も確認し、必要に応じて手順や役割を見直しましょう。
業務効率化を進める5つのステップ

10のアイデアをすべて実施する必要はありません。まず現状を把握し、自社の課題に合う方法を選びます。
ステップ1:現状の業務を可視化する
業務内容、担当者、作業時間、発生頻度、前後の工程などを書き出し、業務全体を把握します。
ステップ2:課題と原因を整理する
時間がかかっている工程や重複作業、属人化している業務、ミスが起こりやすい箇所などを確認し、課題を整理します。
ステップ3:改善策と優先順位を決める
課題ごとに「やめる」「減らす」「標準化する」「自動化する」「外部化する」などの選択肢を検討します。費用対効果や緊急度、実行のしやすさ、現場への影響を踏まえて優先順位をつけます。
ステップ4:実施し、現場へ定着させる
新しい業務フローやルールを運用し、必要に応じてマニュアルや教育を整えます。改善策を設計するだけでなく、実際の運用に定着させることが重要です。
ステップ5:効果を検証し、見直す
実施前後の作業時間や処理件数などを比較し、改善効果を確認します。想定した成果が得られない場合は、原因を確認して改善策を見直します。
業務効率化を成功させるためのポイント
業務効率化で重要なのは、特定の方法やツールを先に決めるのではなく、現状業務を可視化し、課題を見極めることです。
たとえば、属人化が課題であれば標準化、定型作業の工数が課題であれば自動化、社内で担う必要性が低い業務であればアウトソーシングなど、課題によって適した手段は異なります。
また、個別の業務だけを改善しても、前後工程や部門間の役割分担に原因がある場合は、十分な効果が得られないことがあります。その場合は、業務プロセス全体を見直すBPRや、業務設計・運用まで含めて外部へ委託するBPOも検討対象になります。
TMJでは、現状業務の可視化に向けた業務量調査・分析をはじめ、業務改善の方向性整理や運用支援などを行っています。自社だけでは課題の特定や優先順位づけが難しい場合は、外部の知見を活用することも一つの方法です。
【事例】業務効率化につながった取り組み
業務効率化の方法は、企業の課題によって異なります。ここでは、TMJが支援した2つの事例を紹介します。
事例1 管理・間接業務を可視化し、標準化・移管を実施
大手通信教育会社では、グループ各社で行っていた総務・人事などの管理・間接業務について、企業改革や環境変化に伴い、標準化と移管が求められていました。グループ内にはB2B、B2Cの企業があり、業務の標準化は図られていなかったため、初めての大改革でした。まずは業務を可視化するところから始め、その上でグループ全体の標準化を進め、TMJによるシェアードサービスへ移管しました。短期間ながら円滑に立ち上げ、現在も安定的に運用しています。
事例2 業務を棚卸しし、ノンコア業務を外部委託
翻訳事業会社では、社員の「仕事の進め方」などを見直してこなかったことを振り返り、働き方改革を進めていました。業務改善を全社的なプロジェクトと位置づけ、TMJの業務量調査・分析を導入。業務を一つひとつ棚卸しし、ノンコア業務の一部を委託化しました。さらに、社員がコア業務に集中できるよう業務を再配分したことで、残業削減とコスト圧縮につなげました。
まとめ|業務効率化は現状把握から始める
業務効率化には、不要な業務をやめる、標準化する、自動化する、アウトソーシングするなど、さまざまな方法があります。重要なのは、現状を可視化して課題を把握し、自社に合った方法を選ぶことです。
個別の改善だけでは解決しにくい場合は、BPRやBPOも選択肢に加えながら、継続的に業務を見直していきましょう。
TMJでは、業務の可視化から改善・運用まで、業務効率化を幅広く支援しています。業務改善にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
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